HPE Aruba、大容量のWi-Fi 7アクセスポイントを発表
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世界の各地でWi-Fi 7対応機器の発表が増えている。
米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が現地時間23日、キャンパスAP(アクセスポイント)の新シリーズ「HPE Aruba Networking 730」を発表した。Wi-Fi 7に対応し、かつてない大容量を実現している。
Wi-Fi 7は登場してまだ日が浅く、1月にWi-Fiアライアンスから認証プログラムの発表があったばかりだ。世代が進む際の例にもれず、Wi-Fi 7でもユーザーに提供できる帯域幅と容量が増えている。HPEは730シリーズについて、Wi-Fi 7規格の要件を上回る機能を搭載、他社製品よりも無線トラフィックの容量を最大30%向上させたとしている。
同シリーズの目的は、AIやIoTなど、データ集約型のエッジ用途のために安全で高性能な接続を必要としている企業向けに、中核となるコンポーネントを提供することだ。
「新しいWi-Fi規格に対応した製品ということで、お客様が関心を寄せられ、採用を検討されています」とHPE Aruba Networking事業部の最高技術責任者(CTO)、Stuart Strickland(スチュアート・ストリックランド)氏がSDxCentralの取材で語った。「また、Wi-Fi 7に対応するだけでなく、それ以上の機能を備えていることが何よりも関心を呼んでいます」
HPE Aruba 730シリーズの内容
大容量化のために重要な役割を担っているのが、HPEが特許を取得しているUTB(ウルトラトライバンド)フィルタリング技術だ。5GHz帯、6GHz帯の隣接チャネルでの干渉を回避し、Wi-Fi 7のマルチギガビット接続を最大限に活用することが可能となっている。
730シリーズはIoTハブにもなるように作られている。無線通信のZigbeeとBLE(Bluetooth Low Energy)にネイティブに対応し、デュアルUSBポートを備えているため、さまざまなIoTセンサーやIoTデバイスを接続できる。注目すべきは、従来機種「HPE Aruba Wi-Fi 6E」と比較して2倍のSDRAMとフラッシュメモリを搭載し、アプリケーション固有のコンテナをAP自体で実行することが可能になっていることだ。カメラや環境センサーなどのIoTデバイスから取得したデータをクラウドやデータセンターに送信するのではなく、ローカルで処理できる。
「HPE Aruba Networkingでは、Wi-Fi 7への対応については、お客様のニーズに応えていくうえで最低限の必要条件と考えています」と氏。「そのため、Wi-Fi 7対応の新しいAPシリーズでも、APにトラフィックをルーティングする以上の機能を持たせるという当社の製品哲学を貫きました。本シリーズで今後も主導的な地位を維持していきたいと考えています」
アプリ側については、没入型でリアルタイム性の高いアプリが増え、Wi-Fiに対する要求が拡大するとともに、位置情報を利用するサービスも増えていると語った。
Wi-Fiセキュリティの強化
同シリーズの焦点となっている要素の1つがセキュリティだ。
Strickland氏によると、同シリーズは、ロールベースのダイナミック・セグメンテーションや、危険なIoTデバイスを検知するクライアント検査ツールに対応するほか、今回新たにリンクレベルのMACsec(MAC Security)暗号化を採用しているという。MACsec暗号化とは、有線スイッチ製品で広く使用されているネットワークセキュリティ標準で、2点間(通常はスイッチやルーターの間、またはスイッチとホストデバイスの間)のイーサネットリンクの全トラフィックを保護するものだ。
「今回初めて、スイッチ製品でご提供しているMACsec暗号化がワイヤレス製品でご利用いただけるようになりました」と氏。「昨今は安全でないIoTデバイスが増えており、お客様がセキュリティのアップグレードを必要とされ、ワイヤレスエッジにゼロトラストを適用される大きな誘因になっています」
Wi-Fi 7クライアントの状況
新しいWi-Fi規格を普及するに当たって毎回発生する主な問題の1つが、クライアントデバイスの入手性だ。現在のところ、Wi-Fi 7に対応した個人向けノートPCやモバイルデバイスはほとんどなく、時間の経過とともに変わっていくと予想される。
「当社としては、ただ次の規格に移行するという以上に、企業のニーズに応えることを重視して、APに新機能を追加しています」と氏。
今の状況でWi-Fi 7を導入する唯一最大のメリットは、6GHz帯に対応していることだと氏は言う。この点、HPE Arubaは最初から優位にあるとした。同社には今も拡大を続けるWi-Fi 6E対応クライアントの強固なエコシステムがあり、まだ6Eに移行していない多くの企業に対して6GHz帯の利用を促進することが可能だ。
また、クライアントの普及度合いは新規格へのアップグレードで考慮すべき要素にはなるが、最大の要素というわけではないと強調した。ほとんどの企業は自社の更新サイクルでアップグレードを行い、向こう5年程度は使用できる最新規格に移行することが多くなっている。
「また、Wi-Fi規格の優れた点ですが、新しい機器が常に旧世代のWi-Fiクライアントと下位互換性を保ち、新しいクライアント製品の新しいエコシステムに対応できるようになっています」と語った。
HPE Aruba boosts wireless network capacity with new generation of Wi-Fi 7 access points
![Sean Michael Kerner](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2023/09/image_20230407_15.55.17.png)
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