人工知能(AI)
文:StringerAI

企業がAI化で重視するもの—スキル向上とオープンソースの活用=Linux Foundationの調査レポート

企業がAI化で重視するもの—スキル向上とオープンソースの活用=Linux Foundationの調査レポート

AIが事業に価値をもたらすと考えている企業が94%に上るというデータが示された。Linux Foundationが公開した調査レポートだ。500人を超える世界の採用・研修担当リーダーを対象に調査を行い、集めた所見を分析したもので、AIが技術職に与える影響が拡大し、人材育成が必要になっていることに注目している。

Linux Foundation Educationのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、Clyde Seepersad(クライド・シーパーサド)氏が次のように述べている。「AIのパイロットプログラムを実施している段階から、広範囲に導入してうまく活用する段階に移行できるかは、ツールを利用できる体制を整えているかではなく、従業員全体がそれを効果的に活用できるかにかかっています。このことを各社が認識し始めているようです」。企業がAIの導入を成功させたければ、研修や実際に体験する機会を用意することが不可欠だと強調した。

AIを導入すれば利益になるという期待を各社が抱いている一方で、必要となる基本的なAIスキルを備えている企業は半数にも満たない。同レポートの調査では、AIや機械学習のスキルを備えた従業員が足りておらず、事業上の成果をどの程度期待できるかに影響しているという回答が68%に上った。また、44%はスキル人材の不足が無視できない導入障壁になっていると回答している。こうした課題がある中で、全体の約半数がAI人材を増やしており、新たに雇用した職種としては、AIや機械学習の運用リードエンジニア、AIプロダクトマネージャーなどを挙げている。

AIの導入が加速し、投資対効果への期待が高まる中で、新たなスキル要件が求められるようになっている。Linux Foundationの顧問(チーフエコノミスト)を務めるFrank Nagle(フランク・ネーグル)氏は次のように述べている。「AIによる変革というのは、単なる技術獲得競争ではなく、人的資本の変化を促す呼び水になるものです」。それには既存のチーム内でAIスキルを構築することが必要になる。

AIによってチームの作業工程が一変したと回答した企業は3分の2に上る。AIが生成した出力を技術的に検証することが求められる機会も増えている。こうした変化に対応するため、従業員のスキルアップを優先事項にしていると回答した企業も全体の72%を占めた。2024年の48%と比較すると著しく増加している。従業員のスキル向上を図る施策は新しい人を採用するよりも効率的だと考えられており、技術研修を提供することで従業員の定着率が大幅に向上することもわかっている。

AIの導入を促進するうえでは、オープンソースのプラクティスも一役買っている。オープンソースのフレームワークやツールを活用しているという企業が全体の40%を占めた。オープンソースの文化を醸成したところ、従業員の定着率が向上したという回答も多数報告されている。AIスキルの開発には相互の協力が不可欠だという考えを裏付ける結果となっている。

Linux Foundation report shows organizations prioritize upskilling and open source for AI demands

StringerAI
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StringerAIは、DecisionInsightsリサーチエンジン上に構築された、AIを活用した独自プラットフォームです。専用プラットフォームと独自のアルゴリズムが、企業の購買担当者が積極的に調査している内容を理解し、IT製品関連企業の発表内容や専門家の洞察を配信します。最新かつ信頼性と関連性の高い意思決定に役立つ様々な視点を、購買担当者に提供します。

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