ノキアは「2025年モバイルブロードバンドインデックスレポート」を発表し、中東およびアフリカ（MEA）地域のモバイルブロードバンド市場を分析した。レポートによると、2030年までに同地域の5G加入者数は6億500万人に達し、モバイル接続全体の25%を占め、モバイルデータトラフィックの53%を生み出すと見込まれている。

調査結果では、スマートフォンの普及拡大を背景に、全接続の82%が4Gまたは5Gネットワークを利用するようになると指摘した。またレポートは、5GがIoT（Internet of Things）、スマートシティ、企業向けソリューションの推進基盤として重要な役割を果たすことを強調している。特に湾岸協力会議（GCC）地域では、通信事業者による投資と政府主導の取り組みにより5Gの導入が加速しており、2030年には加入者の91%が5Gを利用する見込みだ。

固定無線アクセス（Fixed Wireless Access：FWA）も大きな成長が見込まれており、市場シェアは2023年の15%から2030年には35%へ拡大すると予測されている。堅牢な5Gインフラの整備が進むことで、従来の物理回線を使用せずに高速ブロードバンドを提供できるFWAは、インターネット普及を推進する費用対効果の高い手段として注目されている。

ノキアのモバイルネットワーク事業部 上級副社長Mikko Lavanti（ミッコ・ラヴァンティ）氏は「MEA地域の通信事業者は5G技術への投資を進めており、IoT、スマートシティ、そして企業向けソリューションを支えるエンジンとなっています。」と述べている。同氏によれば、自律走行輸送、ヘルスケアなどリアルタイムデータ分析によって高度化される幅広い応用領域で5Gが重要な役割を果たすという。

Nokia Mobile Broadband Index projects 5G growth in MEA by 2030