「Nutanix Enterprise AI」の最新リリースが登場=NVIDIAとの統合が深化

米Nutanixが提供しているNVIDIAとの統合プラットフォームに新機能が加わった。企業の本番環境にAIエージェントを導入するプロセスを速めることができる。
HCI(ハイパーコンバージドインフラ)ベンダーのNutanixが5月7日(米国時間)、「Nutanix Enterprise AI(NAI)」最新版の一般提供開始を発表した。「NVIDIA AI Enterprise」との統合が進み、マイクロサービスの「NVIDIA NIM」に加え、フレームワークの「NVIDIA NeMo」が組み込まれている。さまざまなエンタープライズ環境でAIエージェントの導入がしやすくなるようにという意図だ。
NAIは生成AIの導入加速を目的としたプラットフォームで、CNCF(Cloud Native Computing Foundation)の認定を受けたKubernetes環境で運用し、エッジやデータセンター、あるいはパブリッククラウドで、モデルや推論サービスの構築、実行、管理を簡単に行うためのソリューションとなっている。
最新版では、モデル共有サービスの手法が拡張され、それに伴いエージェントのワークフローを展開するプロセスも合理化された。複数のアプリケーションと連携する場合にも、リソースやモデルの管理が簡単にできるようになっている。LLMモデルを中央リポジトリで管理し、生成AIアプリケーションが接続する安全なエンドポイントを作成できるようになった。
「Nutanixでは顧客が生成AIのイノベーションの速さに遅れることのないように、支援を提供しています」。製品管理担当シニアバイスプレジデントのThomas Cornely(トーマス・コーネリー)氏が話している。「今回Nutanix Enterprise AIを拡張し、NVIDIA NIM、NVIDIA NeMoの新しいマイクロサービスを統合しました。どこにいても、AIエージェントの構築・実行・管理を安全かつ効率的に行えるようになっています」
エンタープライズ向けAIソフトウェア製品担当バイスプレジデントのJustin Boitano(ジャスティン・ボイタノ)氏は次のように述べている。「企業はAIエージェントの開発・導入を簡素化し、業務全般で使用できるようにするような、高度なツールを必要としています」。Nutanix Enterprise AIにNVIDIA AI Enterpriseのソフトウェアを統合したことで、安全なAIエージェントを構築、実行する基盤が整ったと強調した。
以下はNAIの主な特徴だ。
・LLMの共有エンドポイントを利用するAIエージェントアプリケーションを展開する:
既存モデルのエンドポイントを共有サービスとして再使用するため、使用するインフラコンポーネントを少なくできる。
・幅広いLLMのエンドポイントを活用する:
NAIはさまざまなエージェント型モデルサービスに対応しており、外部データソースの関数呼び出しが可能。これによってアプリケーションパフォーマンスを向上させている。
・生成AIの安全性を支援する:
最新版にはクエリと応答のフィルタリングによって偏った出力や有害な出力を減らせるモデルが含まれている。
・「NVIDIA AI Data Platform」を使用してデータから洞察を生成できる:
同ソリューションは「Nutanixユニファイドストレージ(NUS)」「Nutanixデータベースサービス(NDB)」と統合されており、構造化/非構造化データを管理できる。
また、HCIやベアメタル、IaaS(Infrastructure as a Service)などを使用した柔軟な展開に対応しており、コンテナアプリケーションの管理がしやすくなっている。
「生成AIの持つ可能性を最大限に引き出すことが可能です。制御性が犠牲になっているということもありません」。Enterprise Strategy Group(ESG)社のプラクティスディレクター、Scott Sinclair(スコット・シンクレア)氏が述べている。NVIDIAとの提携拡大によって、AIエージェントを検討している企業にどのような影響があるのかについて語った。
エージェントモデルに対応したNAIは現在、エンタープライズアプリケーション向けに利用可能となっている。
Nutanix announces latest Enterprise AI version with NVIDIA integration

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