米NVIDIAは、自律走行車やロボット工学を含む物理AIシステムの開発を強化するために設計された新しいプラットフォーム「NVIDIA Cosmos」を発表した。このプラットフォームには、生成世界基盤モデル（World Foundation Models、WFM）、高度なトークナイザー、ガードレール、高速化されたビデオ処理パイプラインが搭載されている。

Cosmosプラットフォームにより、開発者はAIエージェントをトレーニングするための合成データを効率的に作成することができ、物理的なAIモデルの構築に伴う高いコストを軽減することができる。オープンモデルライセンスのリリースにより、開発者はアプリケーションに合わせて「Cosmos WFM」をカスタマイズすることができる。

Uber（ウーバー・テクノロジーズ）、XPENG（中国の電気自動車メーカー）、Waabi（カナダの自動運転テクノロジー企業）などの主要な大手ロボットおよび自動車企業は、Cosmosテクノロジーを最初に導入した企業の一部である。同社の最高経営責任者（CEO）兼創設者であるJenson Huang（ジェンスン・フアン）氏によると、このプラットフォームは、物理AIへのアクセスを民主化し、リソースが限られた開発者にとっての障壁を減らすことを目指している。

「Cosmos WFM」は、様々な入力からリアルな物理ベースのビデオを生成することができ、モデルのトレーニングを強化すると同時に、高価な実世界のデータ収集の必要性を軽減する。このプラットフォームは、従来の方法に比べて時間を大幅に短縮することでデータ処理を効率化するように設計されている。

業界をリードする企業各社は、運転シナリオの検索や高精度なテスト環境の開発など、多様な用途に「Cosmos」を活用している。Jenson Huang氏は、大規模言語モデルがテキストベースのAIに変革をもたらしたように、世界基盤モデル（World Foundation Models、WFM）もロボット工学や自動運転車（Autonomous Vehicles、AVs）開発に同様の可能性を秘めていると強調した。

現在、「NVIDIA Cosmos」は開発者向けに提供されており、NVIDIA NGCカタログやHugging Faceを通じてモデルにアクセスできるようになり、様々な環境でのカスタマイズや展開をサポートしている。