スイスのSEALSQ、衛星配備と量子鍵配送に1,000万ドルを投資へ=WISeSat.Spaceと協業

スイスのサイバーセキュリティ企業WISeKey(ワイズキー)の子会社で、半導体、PKI(公開鍵基盤)、ポスト量子技術の製品を開発しているSEALSQ(シールエスキュー)が5月14日、兄弟会社のWISeSat.Spaceに1,000万ドルを投資する計画を発表した。衛星コンステレーションの配備計画を強化し、宇宙空間を利用したQKD(量子鍵配送)通信の進展を図る。また、IoTの分散トランザクションにも取り組むとしている。
投資計画は現在、取締役会の承認待ちとなっている。超安全通信とIoTトランザクションサービスの提供を目指し、耐量子衛星ネットワークの確立に向けて歩みを進める。
2025年6月のミッションでは、SEALCOINプラットフォームを使用した概念実証を行う予定だ。暗号資産「ヘデラ」の分散型台帳技術(DLT)を衛星やIoTデバイス間のトランザクションに活用するもので、スマートシティや物流などの産業を支えることになる技術だという。
SEALSQは今回の投資について、世界中の無数のIoTデバイスに接続とセキュリティ を提供する商機を開くものだと述べている。WISeSatの衛星通信があれば、自社のポスト量子技術を遠隔地にも提供することが可能だ。
世界の量子通信市場は2024年に10億ドルを超え、今後も安定した成長が見込まれている。金融や医療といったさまざまなセクターでセキュリティ需要が高まっているためだ。QKD通信は量子力学をデータ保護に活用することでセキュリティを強化する技術となっている。
WISeKeyはSEALSQのQKD技術とWISeSatのインフラを統合し、量子通信という成長市場での地位確保を目指す。
2025年は複数回にわたって衛星配備を進める計画だ。安全なIoT接続の実現に重点を置き、ネットワークのカバレッジを世界規模に拡大する。
今後に控える「WISeSat 2.1」の打ち上げでは、QKDに関する取り組みの一環として、SEALSQの暗号化ソリューション「Quantum RootKey」の検証を行う。目的は今日のデジタル環境に存在するセキュリティ課題に対処することだ。
同ソリューションは古典的な脅威と量子コンピューティングによる脅威の両方を防御できるようにつくられており、安全なコマンド認証によって衛星の乗っ取りを防ぐとともに、世界の機密データを保護するものとなっている。
同取り組みでは、量子安全通信やIoT向けにスケーラブルなSataaS(サテライト・アズ・ア・サービス)を提供し、新たなサイバー脅威や環境課題に対処していくことを目指している。
SEALSQ to invest $10 million in WISeSat.Space for satellite deployment and quantum key distribution

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