5G FWA=情報格差解消の「キラーユースケース」に
香港の調査会社カウンターポイント(Counterpoint)の新しい調査報告によると、固定無線アクセス(FWA)ブロードバンド接続が急増しそうだという。5G対応のFWAは、導入を促進し、世界中のデジタルデバイド (情報格差) の問題を解消するための「キラーユースケース」になろうと待ち構えている。
同社の予測では、世界のFWAブロードバンドの契約数は昨年末の約7,500万件から急増、2030年までに4億6,200万件に達するとしている。成長のほとんどを5G高速FWA接続がけん引する一方、2024年までは途上国全体で4G LTE技術が重要な接続ソースであり続けるという。
「2021年末までに世界の3世帯に1世帯(中国を除く)が固定ブロードバンドに接続できるようになりました。そうした世帯の中でも、100 Mbpsを超える通信速度を享受できる世帯はわずか25%でした」。カウンターポイントの主席アナリスト、ティナ・ルー(Tina Lu)氏が調査報告で述べている。「在宅勤務やハイブリッド勤務、遠隔教育の流れが強まるなか、
安定した高速大容量接続が不可欠になっています」
5G FWAの市場ダイナミクス
ルー氏は全体として見た5G FWAの導入について、市場ダイナミクスが重要な役割を果たすだろうと付け加えている。また、ベライゾンやTモバイルUSといった米国の通信事業者がFWA接続を支える5Gのカバレッジの拡大を進める一方で、一部の欧州市場は光ブロードバンドインフラの推進に力を入れており、「5G FWAネットワークの展開が遅れている」という。
このほか、アフリカ、インド、ラテンアメリカ、中国を除く南アジア市場などの地域では光ファイバーの普及率が低く、その分5G FWAの契約数が増加すると考えられる。
他の調査会社やベンダーも同様の予測を出している。
米調査会社ABIリサーチは最近、北米と西ヨーロッパは市場の成熟度が高いため、5G FWAの展開が進むだろうという予測を出している。全体の接続数は年平均成長率72%で成長し、2026年までに世界で6,900万件に達すると見込んでいる。
エリクソンの最新のモビリティレポートでは、FWA接続数は2027年まで毎年17%成長すると予測している。
英調査会社CCSインサイト(CCS Insight)は最近、2022年のFWAの成長率を160%と予測しており、年末までに700万接続、2026年末には8,300万接続という驚異的な数字に達するとした。現在のホットな市場として北米を挙げている。
エッジデバイスの課題
カウンターポイントによると、サプライチェーンの問題によって消費者向けエッジデバイスの入手性や価格に影響が出ており、市場での導入には今後も課題が残るという。
シニアリサーチアナリストのパーヴ・シャルマ(Parv Sharma)氏の説明によると、パンデミックでブロードバンド接続の需要が加速した一方で、サプライチェーンの制約によってハードウェア市場の低価格帯CPEの生産能力に制限がかかっているという。5G CPEの価格は多くの地域で500ドルを超えたまま高止まりしており、「マスマーケットの水準を大きく超えている」とした。
カウンターポイントの予測では、下半期には状況が落ち着き、5G対応の消費者向けエッジデバイスの価格は「2023年半ばまでにメインストリーム市場の水準に、2024年末までにマス市場の水準に」収まるとしている。
「2025年以降は5G機器の成熟と規模の拡大によって(平均販売価格が)急速に低下すると予測しています。インドやアフリカのように(ユーザー当たりの平均売上が)低く、情報格差が深刻な市場であっても同じです」。調査報告はそう締めくくっている。
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on containers, lifecycle service orchestration, cloud automation, and DevOps. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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