5Gネットワークの拡大が必須=スモールセルで
![5Gネットワークの拡大が必須=スモールセルで](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/08/Verizon-T-Mobile-Spin-5G-Spectrum-Success.webp)
米調査会社ABIリサーチ(ABI Research)の新しい調査報告によると、5Gネットワークを流れるモバイルデータトラフィックは2026年まで複合年間成長率63%のペースで増え続けるという。これに備え、通信事業者各社がスモールセルを利用したネットワークの高密度化計画を急ぐ必要があるとした。
通信事業者各社はこれまで、新たな周波数を確保し、アンテナ技術のMassive MIMO(マッシブマイモ)のような新技術でマクロRANインフラを強化してきた。現在のところ、増え続ける5Gネットワークのトラフィック需要に対処ができているという。
「5Gスモールセルはマクロセルを補完するものです。ネットワーク容量を増やし、人口密集地域の信号が弱かったり利用できなかったりするエリアにもカバレッジを広げることができます」。ABIリサーチのアナリスト、フェイ・リュウ(Fei Liu)氏が説明している。「また、ネットワーク事業者が既存の周波数帯をより効率的に活用し、さらなる価値を引き出す手段にもなります」
2026年までに1,676エクサバイトに達すると予測される5Gネットワークデータトラフィックに対応するには、現在行われているRAN強化だけでは不十分だ。Cバンドによって拡大した現在のネットワーク容量は「周波数帯を増やすか、スモールセルの高密度配備なしには使い果たしてしまうでしょう」とリュウ氏は指摘する。
ABIリサーチの予測では、2025年には「5Gスモールセルの大規模展開」が始まり、2027年までに5G屋外スモールセル1,300万台が展開され、2028年までには4G LTEスモールセルの台数を上回るとしている。また、スモールセルRANベンダーもサポート力の強化を迫られることになるという。
「前世代のスモールセルと比べ、5Gスモールセルには設計面、性能面で多くの課題があります」。リュウ氏は述べている。「5Gスモールセルは100メガヘルツや200メガヘルツといった大きな帯域を支えながらも、小型かつ軽量でなくてはなりません。5Gには幅広い展開シナリオがあり、ベンダー各社はあらゆるニーズに対応できる包括的なソリューションを提供する必要に迫られているのです」
米調査会社デローログループ(Dell’Oro Group)の新しい調査報告によれば、第1四半期のスモールセルRAN市場はファーウェイ、エリクソン、ノキア、ZTE、サムスンといったおなじみのRANベンダーが席捲したという。市場売上高は前年同期比で15%増加した。デローログループによると、RAN市場全体の成長が低迷しているのに比べて速いペースだという。
ABIリサーチは、コスト面・ロジスティクスの面から言ってスモールセルの展開はマクロRAN展開に依存することになるだろうと結論している。
「5Gスモールセルはマクロセル用のバックホールを利用するため、モバイルネットワーク事業者はすでにバックホールを構築済みの場所から5Gスモールセルの展開を始めることになるでしょう」。リュウ氏は書いている。「5Gスモールセルはマクロセルとの共存が可能です。セル間の干渉によるリスクを最小化するに当たっては自己組織化ネットワーク(SON)が役に立ちます。あるいは、スモールセルとマクロセルで異なる周波数帯を利用することになるでしょう」
https://www.sdxcentral.com/articles/analysis/5g-networks-must-go-big-on-small-cells/2022/08/
![Dan Meyer](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/Meyer-2.jpg)
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on Telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
![Dan Meyer](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/Meyer-2.jpg)
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on Telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
JOIN NEWSME ニュースレター購読
月に1回、newsMEのトピックスをメールで配信しています!
登録解除も簡単です。ぜひお気軽にご購読ください
KCMEの革新的な技術情報を随時発信
5G・IoT・クラウド・セキュリティ・AIなどの注目領域のコンテンツをお届けします。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
RELATED ARTICLE 関連記事
-
ネットワーク SDxCentral Studios Sponsored by VMware2024.07.26
RANや5Gの運用を妨げている、5つの要因
通信業界では、RANからエッジ、コアに至るまで、エン…
-
ネットワーク Dan Meyer2024.07.22
Linux Foundationが見る、通信業界に足りないもの=オープンネットワークについて
通信事業者は、すでに展開済みの高価な資産をもっとうま…
-
セキュリティ Nancy Liu2024.07.09
シスコ、産業用スイッチ/ルータにOTセキュリティ機能を搭載
米ネットワーク機器大手のシスコは、ゼロトラストネット…
-
セキュリティ Nancy Liu2024.06.24
SASE市場が急成長=第1四半期、首位はZscaler
米調査会社デローログループ(Dell’Oro Gro…
HOT TAG 注目タグ
RANKING 閲覧ランキング
-
IT Emma Chervek
BroadcomのVMware買収による意外な影響=どう備えるか
-
セキュリティ Tobias Mann
米CitrixはMcAfee社、FireEye社と同じ運命を辿るのか=買収合併の後に
-
IT Dan Meyer
BroadcomがVMwareパートナープログラムの詳細を発表
-
ネットワーク Sean Michael Kerner
2023年 ITネットワークのトレンドTOP10 現時点
-
セキュリティ Nancy Liu
デル、データ侵害を確認=ハッカーが4900万件の顧客データ販売を主張
-
スイッチング技術 Tobias Mann
コパッケージドオプティクスの実用化は何年も先=専門家談
-
IT Dan Meyer
Dell、HPE、LenovoはBroadcomがVMwareの顧客の懸念を和らげるのに役立つか?
-
セキュリティ Nancy Liu
RSAカンファレンスが閉幕、AIセキュリティ関連の主な発表=パロアルト、マイクロソフト、Google、CrowdStrike、IBM
-
IT Nancy Liu
米Nutanixが好業績=米BroadcomによるVMwareの買収で
-
IT Dan Meyer
米BroadcomのCEOによる、VMware買収後100日間のハイライト