AIがデータセンターインフラ市場を加熱
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新しい調査によると、2023年第3四半期、データセンターの物理インフラ市場が5四半期連続で前年比2桁成長を記録した。米調査会社Dell’Oro Group(デローログループ)は2024年について、人工知能(AI)の導入加速により、同市場は成長を続け、歴史的な水準まで達すると予想している。
第3四半期、熱管理と電力分配のセグメントが最も成長した。要因としては、NvidiaのH100 GPUが高価かつ供給不足になっていることから、各社のITチームでは適切な電力管理システムと熱管理システムの計画、設計、展開に必要なリソースが限られ、状況が複雑になっていたことが大きい。
Dell’Oro Groupのリサーチディレクター、Lucas Beran(ルーカス・ベラン)氏はSDxCentralに対し、「突如として現れた生成AIや、AIワークロードの急速な拡大の欲求により、多くのエンドユーザーが直ちに新しいITインフラを求めた。はっきりと言えば、NvidiaのH100/A100/DGXサーバーだ」と述べている。しかし、「どこで(これらのサーバーを)購入したか、いつ購入したか、何台で、どのようなコストだったか」といった動的な要因によって、(中略)「リードタイムは8か月~12か月に伸び、コストも急速に高騰した」と同氏は指摘している。
その結果、ITチームは必要なITインフラをできるだけ迅速かつ手頃な価格で確保しようと他のリソースを動員したが、適切な熱・エネルギー管理インフラを展開する余裕はほとんどなかった。「ここに要する労力のため、多くのエンドユーザーは、初期に出荷されたGPUを受け取った後、またはその直前になって初めて電力と熱管理インフラの要件に対処することができる」と氏は述べている。「DGXサーバーは高度な電力と熱管理の要件を持っているため、単に今使用しているものをより多く注文すればいいという単純な問題ではない」
AIインフラの新しい電力管理要件に対処するため、多くのユーザーは、既成品と比較してより大容量の電力分配を実現できる、カスタマイズされた、または部分的にカスタマイズされた製品に目を向けている。
こうした高性能サーバーを冷却するため、各社のITチームは、補助冷却として高密度空冷や液体補助空冷を活用しており、これによって空冷を前提につくられている施設でのインフラ展開が可能になっている。長期的には、大規模に液体冷却技術を展開するように設計された施設が増えることを氏は予想している。
Vertiv、熱管理の強みでシュナイダーエレクトリックに対抗
Dell‘Oro Groupのレポートによると、データセンターの物理インフラ市場のリーダーは、米Vertivが17%の市場シェアでトップ、フランスのSchneider Electri(シュナイダーエレクトリック)も同じく17%で並び、3位には9%の市場シェアを持つアイルランドのEatonが入っている。
第3四半期、Vertivは市場全体の成長率を2ポイント上回った。北米市場での存在感、熱管理や電力分配のような急成長セグメントの強さが成長を促進した。「彼らは現在、世界No.1のデータセンター物理インフラ市場シェアを持つリーダー、Schneider Electricに挑戦している」と氏は述べている。
![Emma Chervek](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/Emma-Chervek-02.jpg)
SDxCentral のレポーター。
データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。
エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
連絡先:echervek@sdxcentral.com
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