クラウド
文:Dan Meyer

Amazon、Microsoft、GoogleがAIによってクラウド急成長の波に乗る

Amazon、Microsoft、GoogleがAIによってクラウド急成長の波に乗る

Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)は、依然として世界の主要なクラウドプロバイダーであり、市場収益が急増し続ける中で、その地位はますます有利になっている。

米調査会社Synergy Research Group(SRG)のレポートによると、第3四半期にAWSはMicrosoftとGCPに対して大きな優位性を維持し、市場の31%を占め、Microsoftが20%、GCPが13%を占めた。3社とも過去1年間で成長率の上昇が見られ、特にAmazonとGoogleで顕著な改善が見られた。

これらの成長率は、第3四半期のクラウドインフラに対する企業の支出が前年同期比23%増加し、四半期で840億ドルに達したことを背景としている。これには、IaaS、PaaS、ホスト型プライベートクラウドサービスへの支出が含まれる。

このパイの一角を獲得している他のベンダーとしては、Oracle、Huawei、Snowflake、Cloudflareが含まれる。

SRGは、クラウド収益の急増を、長引く「経済、通貨、政治の逆風」を克服した人工知能(AI)とその付属物である生成AI(genAI)への投資増によるものとしている。

「一部の市場の逆風が弱まったとはいえ、この成長率増加の主な要因は間違いなくAIです」とSRGチーフアナリストのJohn Dinsdale(ジョン・ディンズデール)氏は説明する。「新しいAI指向のサービスとテクノロジーは、大手クラウドプロバイダーが波に乗るのに役立っています。新しい機能によって需要が増加し、それが収益の増加につながり、さらに基盤となるテクノロジーへの投資を増やすことができます」

クラウド大手はこの機会に投資を続けて、以前のSRGレポートによると、AWS、Microsoft、GCPはデータセンターの拡張ラッシュの最中におり、2030年までに全世界のデータセンター容量の3分の2近くを管理することになり、これは、2017年に管理していた容量の8倍にあたる。

米ABIリサーチのレポートによると、AI需要で火が付いた設備投資ラッシュは「大規模/超大規模コロケーションの施設」にも向かうという。同社は、現在、世界のデータセンターの28%がいずれかの規模に該当するが、「企業はAI/生成AIのワークロード処理など、大量のデータを消費する用途に対応できる、大規模データセンターの建設が進むため、この数字が2030年には43%に増加するでしょう」としている。

クラウド投資コストの管理

しかし、これらのハイパースケーラーも、データセンターへの投資を管理しようとしている。

Microsoftの直近の決算説明会では、Amy Hood(エイミー・フッド)CFO(最高財務責任者)が次のように語った。「当社では――このことについては、数四半期にわたってお伝えしてきましたが――AI需要に対して容量が十分には足りていません。(中略)AI向けに提供できる容量が追い付いていないため、サードパーティと契約して支援を頂いています。Azureプラットフォームを拡張して需要に応えるのを喜んで支援していただけるパートナーです。また、もっとバランスの取れた状態に戻すため、先ほどお話ししたように、かなりの投資をして構築を進めています」

AWSの最新の決算説明会で、Andy Jassy(アンディ・ジャシー)CEOが、同社のデータセンターへの投資計画には、物流上の課題を克服することも含まれていると述べた。

「考えてみると、私たちは世界中に約35のリージョンがあり、それぞれ複数のデータセンターが存在します。また、これらのデータセンターを通じて約130のアベイラビリティゾーンがあり、各施設に数千ものSKUを配置しなければならないです」とJassy氏は述べた。「もし少なすぎるSKU在庫を配置すると、顧客に対するサービス停止の原因となる不足が生じます。つまり、ほとんどの場合、不足ではなく、過剰になります。過剰になると、経済的には極めて非効率になります」

クラウドインフラストラクチャの需要が継続することは、そのような計画を当面継続する必要があることを意味する。

調査会社IDC(International Data Corporation)は、クラウドインフラストラクチャへの支出が2028年までに年平均成長率 (CAGR)18.1%で増加し、2,530億ドルに達し、コンピューティングとストレージインフラストラクチャの総支出の4分の3以上を占めると予測している。そのほとんどは、サービスプロバイダーによって共有クラウドインフラストラクチャに費やすことになる。

「ハイパースケーラー、デジタルサービスプロバイダー、大手クラウドサービスプロバイダーは、成長を後押しし続けており、2024年から2025年にかけても市場にプラスの影響を与え続けるでしょう」とIDCのワールドワイドエンタープライズインフラストラクチャトラッカーのリサーチディレクターであるJuan Pablo Seminara(フアン・パブロ・セミナラ)氏は説明する。「そして、経済見通しの改善は、ポジティブなムードをさらに広げるのに役立つでしょう」

Amazon, Microsoft, Google ride AI-fueled cloud surge

Dan Meyer
Dan Meyer Executive Editor

電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime

Dan Meyer
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