LAN機器／プラットフォームを提供する米セローナ（Celona）がプライベートネットワークで使用するセルラーデバイスの無料認証プログラムを発表した。同社が提供する企業向け5G LANで4G LTE／5Gエンドユーザー機器（UE）が動作するかどうかの相互運用性テストを行う。プライベートネットワークが広く展開するのを妨げている大きなハードルを克服するための取り組みだという。

セローナによると、プログラムでは同社の5G LANアクセスポイント、エッジソフトウェア、SIM／eSIM認証情報を使用してデバイスの互換性を検証する。また、スループット、PER（パケットエラー率）、レイテンシ、ハンドオーバーにかかる時間といった企業向けの主要パフォーマンス指標の計測、サービス品質や企業5 G LANルーティングなどの機能のテストも行う。

同プログラムでは、Apple、Google、クレイドルポイント、ゼブラ・テクノロジーズ、シエラワイヤレス、インシーゴ、マルチテック、Getacが提供する産業用携帯端末、タブレット、スマートフォン、IoTゲートウェイ、CPEデバイスが既に認証を受けている。この中にはAppleのiPhone 11、12、iPad Pro、Googleのスマートフォン「Pixelシリーズ」もある。

セローナ自身もCBRS（Citizens Broadband Radio Service：市民ブロードバンド無線サービス）を利用するベンダーとして、また通信事業者との提携を通じて、プライベートワイヤレス市場に取り組んでいる。

同社は今年ベライゾンビジネスと契約、「On Site LTE」「On Site 5G」サービスにLAN機器の提供を始めた。同サービスはプライベートネットワークを提供するもので、複数の構成に対応しており、コアネットワークはオンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドのいずれに置いても構わない。

企業プライベートネットワークの課題とセローナの取り組み

同検証プログラムは対象がセローナの機器／プラットフォームだけに限られてはいるものの、企業ネットワークの展開に伴う課題の解決に大いに貢献すると見られている。

米ConnectXが最近開催したイベントのパネルディスカッションでは、プライベート5Gワイヤレスネットワークによって新しい技術や周波数層を導入する上では困難な問題が生じる可能性があると指摘されている。

「まったく別の技術を一式扱うとなれば、新しく別の専門家グループが必要になります。あまり余裕をもった人員確保もできていないのが現状です」。コロラド州立大学ネットワーク・通信部長のジェイソン・ヒュイット（Jason Huitt）氏がパネルディスカッションで述べている。

あるベンダーの代表もこの課題を認識しており、他のシステムを導入する前にこれを解決する必要があると述べた。

米アルバネットワークスのグローバルワイヤレスポリシー責任者、デイブ・ライト（Dave Wright）氏も次のように補足している。「新技術を導入して、突如としてコアサービス全てに適応することをIT管理者に期待するのであれば…（中略）…こうした問題を取り除き、顧客が現在有線やWi-Fiの管理で利用しているのと同じシステムで利用できるようにする必要があります」

https://www.sdxcentral.com/articles/news/apple-google-score-early-celona-private-network-certification/2022/09/