Dell、HPE、LenovoはBroadcomがVMwareの顧客の懸念を和らげるのに役立つか?
Broadcomは、現在進めているVMwareのCloud Foundation(VCF)プラットフォーム販売チャネルの大幅な見直しに際し、大手ハードウェアベンダーのDell Technologies、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、Lenovoの販売サポートを追加した。 これにより、長年のVMwareユーザーやパートナーからのサポートに関する懸念を軽減するための、Broadcomの継続的な取り組みをさらに進めるものである。
BroadcomのOEM販売担当副社長(VP)であるRicky Cooper(リッキー・クーパー)氏はブログ投稿で、 この新しい契約によりBroadcomのAuthorized Value-Add OEM(VAO)パートナー向けAdvantageプログラムを通じて、これらのベンダーの機器上でVCFプラットフォームを利用できるようになると述べている。このプログラムは、Broadcomの販売チャネルがVCFプラットフォームを配布しサポートするための「即時導入可能な統合ソリューション」を提供するものだ。
新しいベンダー契約とBroadcomが提供するVCFプラットフォーム下でのVMwareのサービス提供の簡素化を組み合わせることで、「VCFをVAOパートナーの独自のハードウェアシステム、ソフトウェア、サービスと統合することで、イノベーションをより迅速に実現し、真に差別化されたターンキーのプライベートクラウドソリューションを提供できます」と氏は述べた。
氏は、このパートナープログラムが、「当社の最も価値あるパートナーとの共同イノベーション・アジェンダを強化し、VCFベースの統合ソリューションを提供することを目的としています。VAOパートナー企業各社は、パートナーブランドで販売・サポートされる独自の共同設計製品を通じて、相互の顧客に一貫したVCF体験を提供します」とも述べた。
「私たちの目標は、VAOパートナーとの共同設計による豊富な製品ポートフォリオを通じてVCFを提供することです」と氏。「VCFとVAOパートナーの差別化された技術やサービスとの緊密な統合により、フルスタックの導入、運用、管理、オーケストレーション、監視、診断、サポート、ライフサイクル管理をすべて単一のベンダーが提供できるようになり、相互の顧客はシームレスな体験を享受できるようになります」
VMwareディストリビューションにおけるBroadcomの継続的な変更
この説明では、Broadcomが昨年末にVMwareを買収した後、永久ライセンスから更新可能ライセンスへの変更や、パートナー再販プログラムの変更など、未解決の懸念事項がいくつか指摘されている。
同社は長年にわたるVMwareのパートナー販売・流通チャネルを廃止し、Advantage Partner Programを導入した。当初、 VMwareと顧客とのやり取りを簡素化する方法として、このAdvantage Partner Programを宣伝していた。販売パイプラインに応じて異なる階層で新プログラムに参加するよう、VMwareのパートナーに対し、何千もの招待状を送った。
このプログラムは、ピナクル・パートナーズ、プレミア・パートナーズ、レジスタード・パートナーズという3つのティアシステムに再編された。最後のティアは、小規模なパートナーが上位ティアのパートナーと協力するための手段にすぎなかった。
この変更は、一部のパートナーや業界アナリストから困惑の声が上がった。
「これらのパートナーは起こっています」と、米調査会社フォレスターのプリンシパルアナリスト、Tracy Woo(トレイシー・ウー)氏 がSDxCentralの取材で語った。「彼らはパートナーであるにもかかわらず、事前通告が1日だけ、あるいはEメール1通だけで済まされたことに、怒っているのです。これは 非常にBroadcomらしいスタイルであり、事実を淡々と述べであり、Broadcomはその件について謝罪していません」
BroadcomのHock Tan(ホック・タン)CEOはプログラム開始直後、この動きを明確にし、「一貫した顧客体験を提供する」 能力を含む利点を強調しようとした。
「この小規模なパートナーグループへのサービスの継続性を確保するため、ホワイトレーベルのオファーが利用可能になるまで、修正された月額請求契約の取り決めのもとで、このグループとの既存事業を継続します」と氏は述べた。
氏はまた、VMwareの販売パートナーシップにおける過去の悪用についても言及し、新プログラムは「サブスクリプション移行前のソフトウェア業界で一般的だった機能追加分を同製品の新しい上位エディションや新しいアドオン製品としてブランド化するといったアップセル慣行を終わらせました」と述べた。「こうした慣行はコア製品の真のイノベーションを表すものではなく、新機能を見逃すことに対する顧客の混乱と不満を引き起こします。サブスクリプションライセンスでは、こうしたインセンティブを排除します」
最近、BroadcomはMicrosoft AzureやGoogle Cloud Platform(GCP)とより緊密に連携し、Amazon Web Services(AWS)との距離を置くなど、トップクラスのハイパースケーラーとの販売体制を変更している。
新プログラムに対するDellのサポートは、Broadcomの買収に伴いDellが旧子会社VMwareとの販売契約を解消してからわずか4ヶ月余りで行われた。この「優れた商業フレームワーク」は、DellとVMwareがVMwareソフトウェアの再販に際してどのように協力するかに関連していた。
Dellの広報担当者は、この新しい契約が従来のOEM及び組み込み型OEM契約にとって代わるものであり、「これらの契約はDellのハードウェアにバンドルされて販売されるソフトウェアを対象としていました」と説明した。
「この契約を通じて、DellとBroadcomは、エッジからコア、クラウドに至るまでVMware導入のニーズを満たすソリューションを提供していきます」とDellでソリューションプラットフォームSVPを務めるGil Shneorson(ギル・シュナーソン)氏 は新契約に関する発表文で述べている。
BroadcomのCooper氏は更新されたプログラムにはさらに多くのベンダーパートナーが発表される予定だと付け加えた。
BroadcomがVMwareからの企業撤退を阻む?
BroadcomがVMwareに対する相次ぐ変更に企業の不満が高まっているとアナリストが指摘し続ける中、今回の変更も行われた。
調査会社フォレスターの主任アナリストであるNaveen Chhabra(ナヴィーン・チャブラ)氏 はSDxCentralの取材に対して、Broadcomの最近のライセンス変更により、一部の企業ではVMware製品の価格が高騰していると述べ、価格変更は予想外ではなかったと付け加えたうえで、同氏とそのチームは世界の大企業の20%が「VMwareスタックから撤退し始めるだろうーこの言葉を注意深く読んでほしいー」と予測を述べた。
「一夜にして完全に置き換わることはないでしょうが、部分的には離れ始めるでしょう」とChhabra氏は述べている。「私はそれが今まさに起こっているのをはっきりと見ており、その予測が的中したと主張ために、あと5か月待つ必要はありません。実際に起こっているのですから。」
Broadcomの経営陣は、VMwareのライセンスと販売に対する同社の変更が、VMware内部にとっても、その顧客にとっても、確かに時として痛みを伴うものだったと認めている。
「変化には混乱という課題がつきものです。なぜなら、変化のペースや量が著しい場合、物事を広範囲にわたって一貫性のある方法で物事を伝え、明確に説明しなければ、明らかに混乱や課題が生じます。」とVMwareのマーケティング担当バイスプレジデント、Prashanth Shenoy(プラシャント・シェノイ)氏 がSDxCentralの取材で語った。
しかし、氏はこれらの変化は必要であり、長い年月を要するものだと付け加えた。
「以前の世界では、この変化を起こすのに 3~4 年はかかっていたでしょう」とShenoy氏。「私は2年前にVMwareに入社し、これを何度か試みましたが、実行には至りませんでした。ですから、私にとって、このビジネスモデルの変革、ポートフォリオの変革、市場へのアプローチの変革をすべて数ヶ月で実現できたことは非常にうれしく思っています」
Can Dell, HPE and Lenovo help Broadcom soothe VMware customer concerns?
電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime
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