米アリスタ、AIに最適化したネットワークファブリックを構築
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米ネットワーク機器メーカーのアリスタネットワークスはこの1年、独自にAIネットワークファブリックの構築に取り組み、開発を進めている。最近、取り組みを加速させるために新たなパートナーを迎えた。
5月の終わりごろ、アリスタは2件の提携を発表した。米NVIDIA、米VAST Dataと個別に協力し、AIワークロードの高速化に最適化され、エンドツーエンドの緊密な統合を実現したインフラの構築を進める。エンタープライズ企業がAIに関する取り組みの規模を拡大するなか、AIインフラのボトルネックを解消し、運用を合理化することが目的だ。
Vast Dataとの協業では、高性能ネットワーキングにスケーラブルなデータストレージとアクセス制御を組み合わせ、AIに最適化したインフラを提供する。使用する製品は、VASTのデータプラットフォームアーキテクチャ「DASE(Disaggregated Shared-Everything)」と、アリスタの広帯域に対応した低遅延イーサネットスイッチとなっている。
NVIDIAとの協業では、「BlueField-3 SuperNIC」などのNVIDIA製ハードウェアを使用する。アリスタは現在、新たにネットワーク管理者向けのAIエージェントの構築も進めている。複雑なネットワークトポロジーの管理や構成を支援する製品だ。
アリスタ、AIエージェントを構築
アリスタのAIエージェントは、同社のネットワークOS「Arista EOS」をベースとしたソフトウェアだ。NVIDIAの「BlueField-3 DPU」のようなアクセラレーターを搭載したサーバーと、ネットワーク機器の間の直接通信を円滑にする役割がある。
「Arista EOSをベースとしたこのAIエージェントは小さなソフトウェアで、SmartNICに直接、あるいはサーバーにインストールしてNICを制御するものです」。アリスタのカスタマーエンジニアリング担当テクニカルディレクター、Brendan Gibbs(ブレンダン・ギッブス)氏がSDxCentralの取材で説明した。「AIチャットボットではなく、NVIDIAのソフトウェアを使って開発したものでもありません。アリスタのソフトウェア製品であり、ネットワーク(機器)と緊密に連携しながらNICの設定を管理し、AIネットワークインフラとして最適なパフォーマンスを実現するものです――サーバーのNICでもこれが可能になりました」
Gibbs氏によると、NVIDIAとの協力作業の中心になっているのは、アリスタ製の同AIエージェントをNVIDIA製のBluefield-3 SuperNICにインストールできるようにすることだという。これによって同NICのリモート管理と可視化が可能になり、ネットワークのQoS設定と協調した、正しい設定を確実に行えるようになる。AIへの最適化をエンドツーエンドで適切に実現するための要素だ。
同AIエージェントでは、NICのテレメトリデータをネットワークデータレイク「Arista EOS NetDL」の中央リポジトリに送信できる。ネットワーク自動化ソフトウェア「Arista Cloudvision」を利用すれば、そのデータをもとに、ネットワーク管理のための分析とレポート作成が可能になるという。
後継製品ではない、新しいソフトウェア
Arista EOSをベースとした同AIエージェントは、ネットワーク運用担当者に次のレベルの管理と可視性を提供するもので、アリスタの既存サービスの後継製品ではない、とGibbs氏は強調する。
氏によると、現在、NICやサーバー、GPUを管理するネットワーク運用チームとサーバー運用チームは別々になっていることが多く、NICやネットワーク機器の設定ミスにつながるほか、AIエコシステム全体を見て、問題領域がどのようになっているのかを把握することが難しくなりかねないという。
「当社のEOSベースのAIエージェントでは、次のレベルの可視性と管理を実現しました。これまでネットワークだけを監視していたというネットワーク運用チームであっても、新たな水準の状況把握や管理が可能になります」と語った。
VAST DataのAIデータパイプラインがアリスタに
データ側に関しては、VAST Dataのスケーラブルかつ高性能な「DASE(Disaggregated Shared-Everything)」アーキテクチャをファブリックに組み込むことで協力する。
VASTのグローバルなデータプラットフォームと、アリスタの高速で低遅延なネットワークを組み合わせ、企業に弾力性のあるデータアクセスとGPUアクセラレーテッドコンピューティングを提供する。さまざまな企業ワークロードとデータ処理量の多いAIワークロードを、マルチテナントの統合インフラに集約することが可能だ。
「今日の新しいAIワークロードを処理するには、これまでとはまったく異なるアーキテクチャで構築した、新しいタイプのデータインフラが必要です」。VAST Dataの戦略的アライアンス担当バイスプレジデント、John Mao(ジョン・マオ)氏が述べている。
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