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文:Matt Kapko

英半導体設計Armが人員削減=NVIDIAによる買収失敗を受けて

英半導体設計Armが人員削減=NVIDIAによる買収失敗を受けて

半導体設計の英Arm Holdings(アームホールディングス)が最大で従業員の15%に当たる世界で約1,000人の雇用を削減する計画であることがわかった。米NVIDIA(エヌヴィディア)による買収案件が頓挫した後、2ヵ月足らずでの出来事だ。

英国および米国で大幅に雇用を削減する方針だ。英紙The Guardian(ガーディアン)によると、同社は世界で6,500人以上を雇用しており、本国ではそのうちおよそ3,000人が働いているという。

 同社はNVIDIAとの契約に際し、規制当局からの克服しがたい反対に直面した。両社の統合が失敗した後は速やかにCEOが交代し、所有者であるコングロマリットのソフトバンクはバックアッププランとして2023年第1四半期中のArmの株式公開を目指すと発表している。

 NVIDIAは買収を断念したことで125000万ドル(約1,550億円)の違約金を支払っているが、そうした現金注入もArmの大規模な雇用削減を遅らせるには不十分だったようだ。

もちろんNVIDIAの傘下に入っていた場合でもこうした雇用が守られていたという保証はない。

とはいえ、NVIDIAとの契約が失敗に終わったその日のうちにCEOに昇格、同社を率いることになったRene Haas(レネ・ハース)氏が最初の大きな一歩を踏み出したということだ。

「私たちは自社のコストや投資先について、もっと自制的になる必要があります」。氏は英紙The Telegraph(テレグラフ)に送ったメールに書いている。「Armという1つの会社であり続けることが決まった今、競争力を維持するためには重複している作業を取り除き、もはや将来の成功にとって重要ではない仕事を止め、どのように仕事をするのかを考えていく必要があります」

英調査会社GlobalDataのアナリストたちはこの説明を信用していない。少なくとも戦略としてはお粗末だと考えている。

今回の人員削減は「メタバース、AIIoTといった今後10年間の主要テーマに取り組んでいくというArmの意気込みとは矛盾するものです」。GlobalDataのアナリスト、Lil Read(リル・リード)氏は述べている。

「次世代技術の構築は経験豊富なスタッフの仕事です。Armがメタバースのような新興テーマで成功したいのであれば、そうした人材を維持しなくてはなりません。Armでキャリアを積んできた経験豊富な技術者たちは自分たちが将来どうなるか不安に思っているかも知れませんし、そうしたエンジニアは常に最高の人材を求めているテクノロジー市場で注目の的となるでしょう」。Read氏は書いている。

また、GlobalDataの主席アナリスト、David Bicknell氏も今回の人員削減は「長期的な問題に対して短期的な解決策を取っている」ケースに見えると補足している。「買収失敗後、しばらくは時間を稼げるかもしれませんが、先行き不透明な世の中でキャッシュフローの状況を改善することにはなりません」

https://www.sdxcentral.com/articles/news/arm-slashes-jobs-after-failed-nvidia-takeover/2022/03/

Matt Kapko
Matt Kapko Senior Editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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