データセンター
文:Emma Chervek

データセンターの液体冷却=生成AIの要求に応えられるか

データセンターの液体冷却=生成AIの要求に応えられるか

AIの導入が進み、需要に合わせてデータセンターが次々に建設される中、環境への影響も懸念されている。HPC(高性能計算)ハードウェアでいっぱいのデータセンターをどのような方法で冷却するかは、業界として大きな課題の1つになっている。

細かく言えば、生成AIが登場しLLMを支えるデータセンターチップが導入され、ラックの大幅な高密度化が進んでいる。液体冷却の必要性が高まっているのはそのためだ。

「ラック密度は現在、40kW以上になってきています。空冷だけでは対応するのが難しいレベルです」液体冷却を提供する米LiquidStack(リキッドスタック)のグローバル戦略ディレクター、Angela Taylor(アンジェラ・テイラー)氏がSDxCentralの取材で語った。「今後も大幅に高密度化が進んでいく兆候もあります。今年と来年には、次世代のAIチップを各社がリリースする予定になっています」

LiquidStackはデータセンターの熱管理効率を向上させる必要性に応えるため、数百万ドルを投じてテキサス州キャロルトンに新しい製造施設をオープンする。ダイレクトチップ冷却のCDU(冷却水循環装置)や単相式・二相式液浸冷却、プレハブデータセンターといった液冷ソリューションの生産を拡大する。

同工場では既に液浸冷却製品の生産が始まっており、CDUの生産も間もなく開始される予定だ。資金の一部は2023年3月のシリーズBラウンドで調達したもので、この時のリードインベスターは投資会社のTrane Technologies(トレイン・テクノロジーズ)となっている。

技術研修と従業員数について

施設の広さは約1,900平米で、研修サービスを提供するとともに、顧客、パートナー企業、サービスエンジニア向けのデモセンターも設置する。「(同センターでは)当社でご提供している設置やメンテナンスに関する研修についてお客様にご紹介するほか、(中略)実際に動作している様子を(中略)ご覧いただけます」と氏。「当社の液冷ソリューションの効果的な選び方や使用の仕方、保守に必要な知識や技術をお伝えすることが主な目的です」

LiquidStackは生産スタッフの採用を積極的に行っており、年内に製造部門を3倍に拡大する計画だという。

「新しい施設に投資することで、市場の急成長に対応するとともに、ここキャロルトンに新たな高スキルの雇用を創出することが可能になります」とJoe Capes(ジョー・ケープス)CEOが述べている。

Can liquid cooling meet genAI’s demands on the data center?

Emma Chervek
Emma Chervek Reporter

SDxCentralのレポーター。データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
連絡先:echervek@sdxcentral.com
X:@emmachervek

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