中国が世界の5Gイノベーションの中心地に
中国は5Gで世界の先頭を行っている。中国の移動体通信事業者が持つ5G基地局の数は合計100万台に近づいている。
最大手のチャイナモバイル(中国移動)は今月中旬、2021年第2四半期末の5G顧客数は2億5100万人であったと発表した。世界最大の無線通信事業者でもある同社は、第2四半期、9億4600万人の顧客のうち26.5%が5Gパッケージを利用する顧客であり、このうち5Gネットワークの顧客向けに提供する回線サービスは1億2700万回線だったとしている。5Gの総顧客基盤は前年同期比で65%も急増した。
2番手のチャイナテレコム(中国電信)は、第2四半期末時点で5Gパッケージの顧客が1億3,150万人であり、3億6,250万人の顧客のうち36%が5Gを利用していたことになると報告した。
このように5Gの普及が急速に加速しており、企業による利用も有望な水準にあることから、米調査会社Forrester Researchは、「2021年は中国が世界の5Gイノベーションの中心地となる年」だと結論付けている。
同社の指摘によると、中国の5Gは今年に入る前はおおむね導入段階にあったが、2021年前半、特にコロナ禍での構造的な景気減速が企業の5G導入を後押しして以降、5G普及の見通しや速度が大幅に高まったという。
中国の全国規模の通信事業者3社は2019年後半に初めて5Gサービスを展開し、国と人口の大きさからすぐに世界最大の5Gネットワークとの評価を得た。
チャイナテレコムとチャイナユニコム(中国聯通)は合弁会社の下で周波数帯と基地局に共同出資し、5G RANを共同で構築・管理しているが、5Gコアネットワークについてはそれぞれ独立したものを管理している。
中国の5G基地局、100万台に迫る
チャイナテレコムによると、共同構築・共同管理を行っている5G基地局は四半期末時点で46万局が稼動しており、2020年末点の38万局から増加したという。また、この5G合弁事業により、単独での展開と比べ、両社はこれまでに約133億ドルのCAPEXを節約できたとしている。
チャイナモバイルは、四半期末時点で50万1,000台の5G基地局が稼働中だと報告しており、年末までに70万台以上を稼働させる予定だとした。
中国ではエンタープライズ企業も5Gインフラ普及の恩恵を受けている。多くの企業がビジネスのアジリティを高め、新サービス提供やサービス改善のために5Gの導入を進めている。
Forrester Research社はあるレポートで、「中国のさまざまな業種のエンタープライズ企業は、5Gへの取り組みを通じてすでに大きなビジネス価値を獲得している」と書いている。
「2025年から2030年にかけて、中国は5G普及期に入るとForresterは予想しています。5Gインフラが全国に広く展開され、5Gソリューションが成熟することで、パイオニア企業や技術リーダー企業は5G対応のビジネスアプリケーションや5G技術の進歩について、積極的に調査するでしょう」と説明している。
Forrester Research社によると、(モバイルブロードバンド、IoT、超高信頼・低遅延通信を必要とする新しいアプリケーションという)3つの戦略的ビジネス目標が中国におけるエンタープライズ企業の5G導入を後押しするという。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/china-deemed-epicenter-of-global-5g-innovation/2021/08/
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
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