シスコがガイダンス未達、株価急落=CEOは「手応えを感じている」
シスコが通期業績見通しを下方修正した。投資家に感銘を与えるにはほど遠い第1四半期の決算発表後、同社の株価は急落している。
同社は2024年第1四半期、製品の受注件数が前年同期比で20%減少したと報告。詳細には、企業部門の受注が26%、クラウドサービスプロバイダーからの受注が32%減少した。公共部門については2%増となっている。
さらに、第2四半期の売上高予測を126億ドルから128億ドル(約1兆8,620億円から1兆8,920億円)とした。前年同期比で6.6%減となる数字だ。
CFOのScott Herren(スコット・ヘレン)氏は、2024年下期には「受注は増加に転じる」と述べている。また、AI利用の需要に関連した製品受注が10億ドル(約1,480億円)を超えるのも間近だとアピールした。
Chuck Robbins(チャック・ロビンス)CEOは、2025年度までにGPUインフラを支える広範なイーサネットネットワークの増築があると見込んでいるという。「受注が10億ドルを超えそうであり、チームとしては手応えを感じています。今後受注を見込んでいるものもあれば、すでに当社製品の利用が決まっているものもあります」と述べた。
シスコのイーサネットファブリックは、すでに米国のハイパースケーラー大手4社のうち3社で導入されており、GPUを支えている。また、「AMD、Intel、NVIDIAと緊密に協力し、イーサネット技術やGPU対応インフラ、共同でテスト・検証を行ったリファレンスアーキテクチャ等のソリューションを開発しています」とRobbins氏は語った。
「ちょうど今週も、昨日のことですが、NVIDIAからJensen(Huang、ジェンスン・フアンCEO)と重役4、5人が訪問され、当社の経営陣と90分を過ごしました」と氏。「私たちは企業ユースケースが発展し始めているのを目の当たりにしており、NVIDIAとの協業、当社が持つ基盤となるテクノロジー、GTM(Go-to-Market)での強み…(中略)…は素晴らしい組み合わせになると考えています」
企業需要の低迷か、実装による一時的な減速か
氏の主張によると、シスコの業績悪化はマクロ的な需要等の減退ではなく、企業やサービスプロバイダ側で実装フェーズに注力していることによる、一時的なものだという。「これはお客様の側での在庫の問題だと考えています」と氏。第1四半期の需要の落ち込みは、「無論のこと…(中略)…私たちを驚かせましたが…(中略)…現在は手ごたえを感じています」と述べている。
シスコの顧客である大企業やサービスプロバイダは、「この90日の間に、問題はそれだと率直に言われていました」と氏。「Cisco Partner Summit」では、多くの最大手のパートナー企業が「まさにこの問題について」「求めずとも」氏に話し始め、そうした話題から逸れないことにRobbins氏は驚いたという。
シスコは自社のポートフォリオの分析も行った。たとえば製品の出荷からMerakiクラウドに接続するまでの期間が、シスコの従来の製品出荷スケジュールと比較して、1、2四半期遅くなっていることがわかったという。
また、Robbins氏は、連邦政府からの受注が「非常に好調な四半期」であったともアピールした。「(米)国防総省のような大口顧客が同じような問題を抱えることがない理由を調査しました。契約に特別条項があり、出荷を決定する際に最恵国待遇としているためというのが実際のところです。サプライチェーンの危機の際にも優先していたため、(国防総省では)製品が大きく流入するということがなく、非常に安定した在庫の流れを維持していました。現在の注文数もごく普通のようであるのはそのためです」
また、各種トランザクショナル・アドバンストサービス(実装サービス)の売上高が前年同期比20%増となり、「第2四半期も2桁近い成長を予測しています」とした。たとえば、シスコのある顧客は、自社の顧客向けにシスコのテクノロジーを実装する専任の人材をここ3か月で200人採用したと話している。
Cisco misses guidance, stock plunges – CEO says, ‘we feel pretty good’
SDxCentralのレポーター。
データセンターのテクノロジーとビジネスケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブエコシステムを担当。エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
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