Cisco SD-WAN（Viptela）を利用している企業でSD-WANネットワークのダウンタイムが発生している（訳注：原文記事公開は11日）。ハードウェア証明書の期限切れによるもので、米掲示板「Reddit」では「実にシスコらしい出来事」だと書き込みがされている。

シスコは2017年にViptela社を6億1000万ドル（約820億円）で買収。同社から引き継いでCisco Viptelaシリーズとしたハードウェア「vEdge 1000」「vEdge 2000」「Edge 1000 SD-WAN」の証明書が当初定められていた10年を過ぎたことで期限切れとなった。ユーザーは今回のネットワークダウンの重大性、世界中の企業に与えうる影響についてネット上で声を上げている。

シスコはTwitterでこの問題を「急いで解決しようとしている」ところだとコメント、「このことで起きてしまっている問題」に対して謝罪を述べている。シスコは「元からあるルート」で顧客と連絡を取り続ける意向で、「ソリューションの開発、テストを行っている」としている。

一部の顧客は、証明書が期限を迎える前に新しい証明書を利用可能にする予防策を講じなかったことが原因だと考えている。「シスコと証明書の有効期限の把握ミス――これよりもまずい組み合わせを挙げられますか。返信を待っています」。あるユーザーが書き込んでいる。また、「シスコが油断している時に」無線証明書の問題が襲ったのはこれが初めてではないと続けている。

昨年12月、シスコの「IOS」ベースのAP（アクセスポイント）でイメージ署名証明書が失効。APがコントローラーへの接続を拒否され、「AireOS」「C9800」などのWLC（無線LANコントローラー）でイメージのダウンロードができなくなった。シスコが顧客に最初に伝えたアドバイスは「WLCの日付と時刻を2022年12月2日（証明書の有効期限の3日前）より前の日付に手動で設定」するようにというものだった。

今回のSD-WAN障害でも、シスコはデバイスの日付と時刻を手動で変更し、タイマーを延長するよう推奨している。とはいえ、顧客にとっては真の解決策というよりも応急処置のように感じられる戦術だ。別のユーザーは「Viptelaのネットワークを使っている企業、通信事業者の顧客企業はできる限りのことを何とかしようと24時間体制で総力を挙げて取り組んでいます」と書いている。

解決策としては証明書を置き換えるのが最も効果的だろう、というのがシスコの予想だが、現在のところ「サービス復旧には何が必要か、要点を明確にするためにコントローラーとリモートデバイスに関する手順をテスト・検証している最中」だという。

2020年第1四半期のデータによると、シスコはSD-WANソリューション「Viptela」「Meraki」で2万社を超える顧客を抱えている。

米SDxCentralがコメントを求めたところ、シスコはTwitterで出したステートメントを案内した。

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