シスコさらなる人員削減へ、ネットワーク部門を統合へ
シスコは新たな企業再編計画を推進しており、これにより長年ネットワーキング部門を率いてきたJonathan Davidson(ジョナサン・デイビッドソン)氏が退任することになった。同氏が率いてきた部門はシスコのセキュリティおよびコラボレーションチームに統合されるほか、全従業員の約7%が削減される予定だ。
今回の再編は、シスコの最新決算発表の一部として発表された。それに伴うカンファレンスコールでは、最高経営責任者のChuck Robbins(チャック・ロビンス)CEOが、280億ドル規模のSplunk買収の統合の進展、より強固な生成AI戦略の開発の進展、そしてクラウドプラットフォームの継続的な成長について強調した。
Robbins 氏はまた、これら3つの事業セグメントが今後のシスコの重点領域を支えることになると指摘した。
「将来を見据え、我々はAI、クラウド、サイバーセキュリティで成功を収めるために投資し、成長と一貫した実行を徹底して注力し続けます」とRobbins氏は語った。「これらの重要な優先分野に注力するため、本日、重要な成長機会に投資しつつ、ビジネスの効率化を図るための再編計画を発表しました」
この再編にはネットワーキング部門の統合も含まれており、Davidson氏が退社し、Jeetu Patel(ジートゥ・パテル)氏が最高製品責任者として新組織を率いることになる。
Davidson氏は、シスコで約21年間にわたり勤務しており、その間には7年間ライバルであるジュニパーネットワークスでの在職もあった。
Patel氏は2020年中頃にシスコに入社し、新設されたセキュリティとアプリケーション事業グループの責任者に任命された。それ以前にはBoxやEMCで幹部職を務めていた。
Davidson氏の退任に加え、シスコは全従業員の約7%を削減する予定だ。最高財務責任者(CFO)のScott Herren(スコット・ヘレン)氏は、この人員削減に伴い10億ドルの費用を計上すると述べた。
Herren氏はこの人員削減について、「削減」というよりもむしろリソースの再配置に近い」と述べ、背景を補足した。
「場合によっては、よりコストの低い拠点に移転することで効率化を図ることになります」と氏は述べた。
今回の人員削減は、シスコが中間決算発表後に全従業員の5%削減する計画を発表してからわずか数ヶ月後のことである。
シスコの最新の再編の兆しは、最近のCisco Live 2024イベントで明らかになった。このイベントでは、同社のネットワーキング事業に関する詳細な洞察が欠けていた。その代わりにサイバーセキュリティ、クラウド、AIに関する話題が中心となっていた。
シスコの動きはアナリストから支持
多くのアナリストは、シスコの最新の動きに対して肯定的に評価した。
米調査会社Dell ’Oroグループのエンタープライズネセキュリティ及びネットワーキング担当シニアリサーチディレクターのMauricio Sanchez(マウリシオ・サンチェス)氏は、この統合された焦点は シスコにとって良い動きであり、これは始まりに過ぎないと考えている。
「セキュリティ事業部門とネットワーキング事業部門が対立しているように感じていました」とSanchez氏は述べた。「ネットワーキングとセキュリティの交差点では、重複や複製があり、製品のポジショニングが混乱していました。一方にCatalyst、もう一方にファイアウォールやMerakiがあるため、私は混乱し始めていました。今回の再編が製品の調整やポジションの整理につながり、シスコにとってよりわかりやすくなることを期待しています」
他のアナリストは、AIに対する業界全体の関心が高まっていることが、シスコに新たな成長機会を提供するだろうと指摘した。
「全体として、シスコのポートフォリオの統合がAI、セキュリティ、クラウド機能の強化に焦点を当てていることが、シスコがAIのメガトレンドとハイブリッド及びマルチクラウド防御の完全統合を含む組織全体のセキュリティ実装の優先事項をより有効に活用し、道を開くものであると考えます」と米調査会社Futurum Groupはレポートで述べた。「このポートフォリオの再編と組織の再構築は、AIの急成長時代において、シスコが2025年に成長路線に戻るための基盤となるでしょう」
Robbins氏は、シスコが「AI、クラウド向けAIネットワーキング、AIインフラ、シリコン、サイバーに数億ドルをシフトしています」とその点を強調した。「これは大きな変化ですが、市場の動きが非常に速いため、私たちもそれに対応せざるを得ないと感じています」
シスコのネットワークはどうだろう?
Herren氏は、今回の動きにもかかわらず、ネットワーキングがシスコにとって依然として重要な市場であることに変わりはないと付け加えた。
「ネットワーキングは引き続き私たちにとって非常に重要な領域であり、今後もその分野をサポートし続けます」とHerren氏は述べた。「しかし、全社的にあらゆる面で効率化を図ることで、リソースを急成長している分野に振り向けることができるのです」
Sanchez氏は、シスコがネットワーキング分野に重点を置いていないのは、単に資金の流れに従っているだけだと指摘した。
「ネットワーキング分野全体について言えば、それらは依然として収益を生み出し、会社を支えるキャッシュカウ(利益をもたらす安定した収益源)であり続けるでしょうが、成長市場ではありません」とSanchez氏は述べた。「一桁成長を追い求めるだけで満足するのか、それとも急速に成長している新しい領域での存在感を示し、最終的に明日のキャッシュカウになる可能性があることを示す必要があるのか、ということです」
電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime
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