CitrixはNVIDIAとの提携を発表し、人工知能(AI)仮想ワークステーションを提供する。この取り組みは、企業がAIアプリケーションの開発やプロトタイピングをより効率的かつ安全に行えるようにすることを目的としている。

人工知能(AI)アプリケーションの作成には複雑なプロセスと高コストが伴い、とくに医療や金融などの厳格なコンプライアンスが求められる業界では大きな課題となる。このパートナーシップは、CitrixのDaaSとNVIDIA RTX仮想ワークステーションを統合し、企業が独自の情報を保持しつつ、概念実証とアプリケーションを開発できるようにする。

Citrixの共同社長であるSridhar Mullapudi氏は「多くの企業が数十種類のAIアプリケーションをプロトタイピングしているが、データセキュリティやコストの懸念が概念実証の完了や本番環境への移行を妨げている」と述べた。「すでに数千のCitrix顧客がNVIDIA GPUを搭載したサーバーでDaaS/CVADを運用しており、このパートナーシップにより、既存のCitrix環境を利用して、より安全でコスト効果の高い形でAIアプリケーションのプロトタイプ、概念実証、導入を行うことが可能になる。」

この提携は、顧客にさまざまな利点を提供し、公開大規模言語モデル(LLM)によるデータ保護の強化、既存のGPUの活用によるコスト削減、Citrixエンタープライズブラウザを通じたセキュリティの向上などが含まれる。

NVIDIAのエンタープライズプラットフォーム担当副社長のBob Pette氏は、「Citrix DaaSとNVIDIA AI仮想ワークステーションを組み合わせることで、企業は既存のインフラストラクチャ内でAIアプリケーションを開発できる」と述べ、セキュリティと生産性の向上を強調した。

Citrix DaaSはアプリケーションやデスクトップの仮想化ソリューションを提供し、IT部門が仮想マシンとセキュリティを管理しながらリモートアクセスを確保できるようにする。この構成により、ユーザーはデバイスやオペレーティングシステムに関する柔軟性を持ちながら、ユーザー体験を損なうことなくセキュリティを維持する。

この提携の詳細は、Citrixのブログで閲覧できる。

Citrix and NVIDIA partner to offer AI virtual workstations for enterprises