OPEN-RAN
文:Matt Kapko

オープンRAN政策に取り組むため、連合が発足

オープンRAN政策に取り組むため、連合が発足

分散型オープン無線アクセスネットワーク(RAN)の追求は、設立企業31社による連合が5月第2週に新しく創設されたことで、より正式かつ集合的な取り組みにまとまった。Open RAN Policy Coalitionは通信事業者7社とベンダー24社から支援を受けているが、立ち上げ時点では3大RANベンダーの支援がないことは注目すべき点だ。

この連合は、2018年2月にx-RAN ForumとC-RAN Allianceの合併により設立されたO-RAN Allianceと重複しているようにも見え、競合しそうだ。Ericsson社やNokia社など通信事業者23社とベンダー142社から支援を受けているO-RAN Allianceも、Facebookが主導するTelecom Infra Project(TIP)とオープンRANの開発に向けた連携協定を先日結んだばかりだ。

「この連合は、オープンRANの舞台裏で重要な活動が行われていることを示しており、このことはオープンなモジュール化インフラエコシステムの開発における大きなマイルストーンになるだろうと考えています」と、ABI Research社のリサーチディレクターであるDimitris Mavrakis氏はコメントで述べている。「これまでオープンRANにいくらか抵抗してきた既存のベンダーは、このアプローチを採用しなければ今後のビジネスで大変な混乱に直面することになるという、多大なプレッシャーにさらされています」

ABI Research社は、オープンRANが急速に成熟し、「今後数年のうちに5Gネットワーク展開のための実行可能な代替手段」になると予想している。連合の創設メンバーである楽天モバイルは最近、クラウドネイティブなインフラ上で動作する世界初の完全仮想化オープンRANを展開しており、2ヶ月以内に自社の4G LTEネットワークを5Gにアップグレードする予定でいる。

やはりOpen RAN Policy Coalitionの創設メンバーであるParallel Wireless社は、この取り組みが重複したものだとは考えていない。同連合はベンダー、通信事業者、規制当局、政府、システムインテグレータによるエコシステム構築に焦点を当てているためだ。また、同社によれば、O-RAN Allianceは仕様の作成、TIPは展開・採用の促進に重点を置いているという。

Parallel Wireless社CEOのSteve Papaはコメントで、「この連合は、O-RAN Allianceが行っている標準化作業やTIPが推進するグローバル展開に対する、重要な追加項目であると考えています」と述べている。

 

オープンRANへの機運が高まる

TIPのAttilo Zani事務局長は、この連合を支持して同様のコメントを述べ、同連合の発足はオープンRANの勢いを示すものであると補足した。「新技術の繁栄を促す支援的な政策環境が整うならば、(TIPと通信事業者による標準化や展開に関する取り組みとの相乗効果によって、)新規参入者にとってより大きな機会が生まれ、最終的には業界を変革するような、ますます多様なサプライチェーンが生み出されることになるだろう」と、同氏はコメントで述べている。

Open RAN Policy Coalitionは、オープンなインターフェイスを標準化・発展させ、新規参入者にとっての参入障壁を下げる政策を推進することを目的としている、と同連合の事務局長であるDiane Rinaldo氏は説明している。

同連合はまた、研究や検証に対する資金提供などによってこうした目標を奨励し、オープンで多様なサプライチェーン促進の重要な支持者であり推進役にもなっている、米国政府にも呼び掛けている。

「オープンRANネットワークは従来の業界モデルから大きく逸脱したものであり、その利点や、オープンで相互運用可能なソリューションの開発・採用を促進するのに政府が行動することがいかに役立つかを、立法者は知るべきです」と、Altiostar社のEVPであるThierry Maupilé氏はコメントで述べている。このオープンRANベンダーは、2011年の設立以来、この所産を推進してきており、ここ数年は通信事業者での展開によって勢いを増しているという。

やはり同連合を支援している米国のオープンRANベンダーMavenir社のCEOであるPardeep Kohli氏は、オープンRANを中心としたまとまりが見られることにわくわくしており、Open RAN Policy Coalitionのアプローチによって競争とイノベーションがさらに促進されると考えている、と話している。

その他の設立メンバーは以下の通り。
Airspan社、Amazon Web Services(AWS)社、AT&T社、Cisco社、CommScope社、Dell社、Dish Network社、Facebook社、富士通、Google社、IBM社、Intel社、Juniper Networks社、Microsoft社、NEC、NewEdge Signal Solutions社、NTT、Oracle社、Qualcomm社、Samsung Electronics America社、Telefónica社、US Ignite社、Verizon社、VMware社、Vodafone社、World Wide Technology社、XCOM社

Coalition Forms to Address Open RAN Policies

Matt Kapko
Matt Kapko Senior Editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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