米Deloitte社がAIアプリケーション開発促進のためのスーパーコンピューティングクラスタ「Deloitte Center for AI Computing」をローンチした。これによってクライアントに人工知能（AI）を手にさせたいと考えている。同クラスタはNVIDIA製AIインフラ向けシステム「DGX A100」をベースに構築されている。

Deloitte Consulting社のマネージングプリンシパルであるJason Girzadas氏は次のようにコメントしている。「Deloitte Center for AI Computingは、DeloitteのAIに関する豊富な経験と、NVIDIA DGX A100システムのパワフルなスーパーコンピューティング機能を融合させるという先駆的な取り組みによって生まれました。クライアントと共に革新を行い、クライアントがAIを試すところからAIを原動力とした組織を作るまでの道のりを加速させるためのものです」

Deloitte Center for AI Computingは同社にとって、テキサス州オースティンの「AI Exploration Lab」、カナダの「AI Factory」、4か国に広がる「Deloitte AI Institute」に続く4つ目のAIベンチャー事業となる。

システム自体はDGX A100システム6台に統合接続するモジュラーラックフォームファクタ「DGX Pod」をベースに構築されている。「DGX SuperPOD」というアーキテクチャを利用すればDGX A100サーバ140台まで拡張が可能だ。

各DGX A100サーバにはNVIDIA社で現在最高性能のGPUアクセラレータ8基に加え、64コアのAMD Rome CPU2基、システムメモリ1TB、Mellanox ConnextX-6 VPI NIC9基、NVMeベースのストレージ15TBが搭載されている。

Deloitte社は、このクラスタによってメディア・通信、政府・公共サービス、ライフサイエンス・ヘルスケア、運輸、金融サービスなどのさまざまな分野におけるAIアプリケーションの開発を加速できるとしている。

「Deloitte Center for AI Computingによってこうした組織に戦略的プラットフォームと経験、コンピューティングリソースを提供し、自動運転車からデジタルコンタクトセンター、公共セクターのイノベーションに至るまで、幅広いAIアプリケーションの開発を加速させることができます」と同社は言う。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/deloitte-nvidia-announce-ai-supercomputing-cluster/2021/03/