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文:Dan Meyer

エリクソンの贈収賄事件が終息間近=コンプライアンス体制に認定

エリクソンの贈収賄事件が終息間近=コンプライアンス体制に認定

エリクソンが過去の贈収賄事件に関し、米国司法省が要求していた内容の達成に1歩近づいた。17年にわたって各国の政府高官が関与し、財務書類を改ざんし、テロ組織に資金が渡っていた可能性のある事件だ。

スウェーデンに本社を置く同社は、米国司法省が任命した独立したコンプライアンス監視員による監視を受けていたが、このたび、汚職防止コンプライアンスプログラムが「要件を満たしており」「有効に機能している」と認定されたことを報告した。エリクソンが同省の要求を全て満たし、6月2日までに同コンプライアンスプログラムを完全に撤廃するには、この認定を受けることが必要条件だった。

「今回認定を受けたことは、2019年に米国司法省と和解して以来、エリクソンがコンプライアンスと内部統制の強化で大きく前進してきたことを示す、第三者による重要な証明です」と、エリクソン取締役会長のJan Carlson(ヤン・カールソン)氏が述べている。「司法取引の残りの義務を履行した際には、取引期間の満了と同時に、監視期間も終了すると見込まれます。そのための前向きな一歩です」

エリクソンは2020年半ばから、同コンプライアンスプログラムの下で業務を行っている。前年に総額10億6,000万ドルの罰金を支払い、米国司法省と和解した際の内容に沿ったものだ。同省と米国証券取引委員会(SEC)は6年間かけて調査を行い、エリクソンが6か国で政府職員に贈賄し、虚偽の財務記録を提出していたことが判明していた。

エリクソンは当時、こうした犯罪行為は2017年第1四半期で終了しており、2018年に内部調査を受けて50人を解雇したと主張していた。2010年から2016年半ばに――つまり、こうした活動が停止したとされる6か月前まで――エリクソンを率いていたのが現在米ベライゾンのCEOを務めるHans Vestberg(ハンス・ベストベリ)氏だが、同氏は数四半期の業績不振を受けて突然辞任している。Vestberg氏はエリクソンに19年間在籍。現CEOのBörje Ekholm(ボリエ・エクホルム)氏が後任となった。

2022年、当初の合意の際に違反があったことが発覚。エリクソンは2011年から2018年にかけて、イラクでの事業で複数回の贈収賄と汚職があったことを認めている。何よりひどかったのは、この間に一部の従業員が支払った賄賂がイスラム国の手に渡った可能性を明確に否定できないとしたことだ。

Ekholm氏は当時、「恥じ入るばかりの」「容認しがたい不正行為」が続いていたことを認めている。

「裏付けが取れる部分と取れない部分があります。武装勢力への資金提供に関する疑惑については、裏付けが取れません」と、当時、報道や金融アナリスト向けの記者会見で同氏は述べている。

これを受けて、SECが新たな調査を開始。エリクソンは昨春、当初の司法省およびSECとの和解に関する情報開示を怠った疑いに対して有罪答弁を行い、追加で2億600万ドルの罰金を支払うことに同意した。

経営課題に悩まされるエリクソン

コンプライアンス監視プログラムの終了に向けて1歩踏み出す少し前、エリクソンはスウェーデン国内で1,200人の人員を削減する計画を発表している。「2024年のモバイルネットワーク市場の厳しい環境」に備える。

同社は窮地に陥っている財務状況を強化するという目標を掲げ、人員削減もその一環だと述べている。短期的には、「顧客が慎重な姿勢を維持していることから来る、取引量の縮小」によって、さらなるプレッシャーを受けることが予想されるとした。

「今回の措置は、グローバルでコスト構造を改善する取り組みの一環として行います。こうした取り組みには、エリクソンが技術でトップを走るために不可欠な投資を維持しつつ、人員を削減することも含まれます」と述べている。「経営効率の向上に向けた各種の取り組みは2024年も継続しますが、個別に発表することはいたしません」

「コスト削減の取り組み」には、他にも一部施設の廃止、コンサルタントとの業務の削減、プロセスの合理化などがあるとした。

こうした取り組みはいずれも、エリクソンをさらなる成長軌道に乗せ、「モバイルネットワーク分野での優位性とエンタープライズ分野への注力拡大を通じて、長期的な利益率目標を達成する」ことを目標としている。

エリクソンは1年前にもスウェーデンの従業員の10%を削減する計画を発表している。その後、グローバル事業全体でも8,500人の人員削減を発表していた。

Ericsson bribery scandal nears end with compliance nod

Dan Meyer
Dan Meyer Executive Editor

電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime

Dan Meyer
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