エリクソン、シスコ、サムスンが通信機器の市場シェアを拡大、ファーウェイとノキアは低下

2021年第2四半期、世界の通信インフラ機器への投資額はやや減少したものの、依然として年間成長率10%を達成するペースにあるという。米調査会社Dell'Oroグループが報告した。
Dell’OroグループでVPを務めるStefan Pongratz氏によると、前年比で投資が鈍化したのは2020年のCOVID-19による影響が大きいという。中国での動向も主要因の1つだ。「(同国では)複数の技術分野で投資額が前年比で縮小しています。この傾向にあるのはRAN分野に限ったことではありません」と氏は言う。
通信インフラ機器市場には、ブロードバンドアクセス機器、マイクロ波・光伝送装置、モバイルコア装置、RAN装置、サービス事業者向けルータ・スイッチなどの分野が含まれる。2020年第1四半期には縮小したものの、その後は5四半期連続で成長しているという。
第2四半期は上位7社のサプライヤーが全投資額の81%を獲得、前四半期の80%から伸ばし、市場支配を強めている。
レポートによると、ファーウェイは課題を抱えながらも通信市場での確固たる支配力を維持しており、2021年上期末の市場シェアは28.8%だったという。エリクソンが15%で、ノキアの14.9%を破り第2位となった。
Dell’Oroグループのまとめによると、ZTEが10.5%、シスコが5.9%。サムスンが3.2%でCienaの2.9%を抑え、世界第6位の通信インフラベンダーとなった。
エリクソンがノキアを抑え、通信機器ベンダー第2位に
エリクソン、ZTE、シスコ、サムスンはそれぞれシェアを伸ばし、ファーウェイ、ノキア、Cienaはシェアを落とした形となった。2020年通年の市場シェアと2021年上半期を比較すると、ファーウェイが1.7%減、エリクソンが0.3%増、ノキアが0.5%減、ZTEが0.4%増、シスコが0.4%増、サムスンが0.8%増、シエナが0.1%減となった。
Pongratz氏によると、2021年上半期の通信インフラ機器の売上のうち約50%がRAN装置とモバイルコアネットワーク装置への投資によるものだったという。また、ブロードバンドアクセス機器やサービス事業者向けルータ・スイッチが全体の約30%を占め、残りの20%はマイクロ波・光伝送装置が占めた。
「成長ペースは第1四半期と第2四半期の間にやや鈍化したものの、通信機器市場全体の好調さは第2四半期も続くでしょう」。Pongratz氏はレポートで述べている。
「通信機器市場全体の成長率については、暫定予測によると2021年上半期は前年比10%増、第2四半期は前年比5%増と、第1四半期の前年比16%増からは減少しています」と氏。
Dell’Oroグループの分析によると、ブロードバンドアクセス機器、マイクロ波伝送装置、モバイルコアネットワーク装置、RAN装置に対する投資額はいずれも2021年上半期に2桁成長をしたという。光伝送装置とサービス事業者向けルータは予想を下回ったが、ブロードバンドアクセス機器とマイクロ波伝送装置はともに予想を上回る成長を遂げた。
また、中国による投資額の減少により、無線・有線関連のインフラ機器の需要に影響があったとしている。さらに、「米国政府がファーウェイの台頭を抑えようと各種の取り組みを行っていることで、RANに限らず他の分野でも中国以外の市場での数字に影響が表れ始めています」とPongratz氏は説明する。
「経済、サプライチェーン、パンデミックを取り巻く異例の不確実性はあるものの、Dell’Oroグループのアナリストチームは下半期についても楽観的な見方をしています」と氏は書いている。「2021年通年では、通信機器市場は全体で5%から10%成長すると見込まれます」

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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