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文:Dan Meyer

エリクソン、スウェーデン国内で雇用削減

エリクソン、スウェーデン国内で雇用削減

通信機器大手エリクソンが本国スウェーデンで従業員の約10%を削減する。また、さらなる人員削減も見込んでいるという。直近の決算説明会でBorje Ekholm(ボリエ・エクホルム)CEOが広くコスト削減を行うと示唆しており、今回の人員削減はその始まりとなる可能性がある。

報道によると、スウェーデン国内で1,400人の雇用を削減する予定だという。現在の国内従業員数は約14,000人だ。

また、今週はさまざまな事業でさらなる人員削減が発表される可能性もあるという(訳注:原文記事公開は2月22日)。エリクソンは世界で105,000人余りの従業員を抱えている。

同社が1月に発表した2022年第4四半期と通期の業績は期待外れのものだった。5G投資の鈍化によるもので、これは新年も続き事業の不確実性になるとエリクソンは予測している。

Ekholm氏は投資家に対し、第4四半期に事業上の逆風が強まったと説明している。「通信事業者様はネットワークへの投資を緩めており、多くの市場でトップを走っているお客様もそれは同じです」

Ekholm氏によると、これが北米の売上に影響しており、2023年も同じ状況が続くと考えているという。「(通信事業者は)マクロ経済の逆風を受けて既存の従業員で事業を回していくでしょう」と予測、サプライチェーン問題が緩和した時期と重なったと付け加えた。

「当社事業の長期的な見通しについては変わらず自信を持っています」。エリクソンの決算リリースにはある。「しかし、短期的な見通しは…(中略)…依然として不透明です」

 

エリクソンのコスト削減への取り組み

エリクソンはこの不透明感からコスト削減策を実施している。Ekholm氏は今年の第2四半期から成果が見え始め、年内には全ての効果が現れるだろうと述べた。いくつかの事業では企業再編も行っている。

また、これまでのところ期待に沿えていないクラウドへの取り組みについては範囲を縮小した。

クラウド関連事業の2023年度通期営業利益は損益分岐点に達すると予測している。「収益性は徐々に改善し、その後これまでよりもずっと魅力的な水準に近づいていくでしょう」

クラウド関連事業は第4四半期、5GC契約によって北米での売上を伸ばしたものの、他地域での不振によって相殺されている。CFOのCarl Mellander(カール・メランダー)氏によると、第4四半期はクラウド・ソフトウェア事業に関連して7,800万ドルの費用を計上したという。

「このセグメントの業績はこれまで明らかに満足のいくものではありませんでした」とEkholm氏。Mellander氏の過去のコメントに同調して述べている。

エリクソンは昨年末に開催した「Capital Markets Day」の席でクラウド事業の新戦略を発表した。「小規模ソフトウェア開発は一定程度に抑え、自動化を進め導入や保守の手間を減らし、目標を市場シェアの拡大から事業の収益性を高めることに移す」という。

「2023年通期で営業利益が損益分岐点に達する道筋がついたと確信しています」とEkholm氏が述べている。

 

競合他社によるプレッシャー

同じく北欧の競合、ノキアもクラウド事業に関しては同様の危機感を表明しているが、その一方で勢いを保ったまま2023年を迎えることができている。同社はクラウド・ネットワークサービス事業で純売上高を伸ばしたが、セグメント売上総利益率については投資の前倒しを理由に予想を大幅に引き下げている。

経営陣は欧州市場全体で多くの事業が成長したとアピール、インド市場のモバイルネットワーク事業が「並外れた成長」を遂げたと述べている。ノキアは5G RANベンダーとしてインドの通信事業者、バーティ・エアテル(Bharti Airtel)とジオ(Reliance Jio Infocomm)との大きな契約を獲得している。北米での5G支出は減速したが、それを補って余りあるものとなった。北米の通信事業者各社は以前、5Gの初期導入以降は支出を削減すると表明している。

CFOのMarco Wiren(マルコ・ヴィレン)氏はこの方針について、「当社が予測していた通りです。初期投資は非常に大規模なものでした。…(中略)…第4四半期はやや控えめになるだろうと予想していましたが、実際にそのとおりになりました」と述べた。

エリクソンやノキアが米国市場のシェアを拡大することはありうる。米連邦通信委員会(FCC)が新規則を採択、米国内の通信ネットワークにセキュリティ上の脅威をもたらすと判断したファーウェイ、ZTE、その他数社の中国系通信ベンダーが提供するネットワーキング機器等の取得および使用を禁止したためだ。

米調査会社デローログループ(Dell’Oro Group)の最近の調査報告によると、エリクソンはRANベンダーとしてはファーウェイに次いで世界第2位であり、中国市場を除けば世界最大のベンダーとなっている。

Ericsson Slashes Swedish Jobs

Dan Meyer
Dan Meyer Executive Editor

Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.

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