エリクソンが事業再編=クラウド/エンタープライズに注力
エリクソンが経営陣とレポートラインを刷新すると発表した。クラウドとエンタープライズ市場に重点を置いた体制となる。また、経営陣は長年くすぶり続けてきた再建計画が次の段階に進んだとしている。
今回の事業再編ではビジネスエリアデジタルサービス事業とビジネスエリアマネージドサービス事業を統合、新たにビジネスエリアクラウドソフトウェア事業とする。これによってクラウドネイティブな5GCやAI関連の取り組みを含め、「クラウド、ソフトウェア、サービスを融合・活用する」ことが可能になるという。
現在エリクソンのビジネスエリアネットワーク事業部内でプロダクトエリアネットワーク部門を率いるPer Narvinger(パー・ナルビンガー)氏が新設事業部の責任者となるとともに、経営陣にも加わる。Narvinger氏はエリクソンのクラウドやRANに関する取り組みについて説明する立場にある、著名な代表的人物だ。
また、現在ビジネスエリアデジタルサービス事業部の責任者を務めるJan Karlsson(ジャン・カールソン)氏の後任も兼ねる。Karlsson氏はエリクソンの経営陣を離れるが、Borje Ekholm(ボリエ・エクホルム)CEOの直属となり、グローバルネットワークプラットフォーム事業を率いる。
また、現在のCradlepoint(クレイドルポイント)事業と専用ネットワーク事業を統合、新たにビジネスエリアエンタープライズワイヤレスソリューションズ事業を設立する。同事業部はエンタープライズ向け製品・サービスの開発に注力するとともに、法人顧客向けのGTM部門を監督、エリクソンが持つサービス事業者とのつながりを活用する。エリクソンはプライベート5Gネットワークへの取り組みを強化しており、そのことと整合する動きとなっている。
クレイドルポイントのGeorge Mulhern(ジョージ・ムルハーン)CEOが同部門の責任者となり、エリクソン経営陣にも加わる。
エリクソンの経営陣は「急成長しているこの部門」に「もちろん魅力を感じている」と述べており、その直後の変更となった。同事業にこうした誘引力があることは予想の範疇だろう。エリクソンは2020年後半にクレイドルポイントを11億ドルで買収、多大な魅力があることをうかがわせた。また、昨年後半には62億ドルで米Vonageを買収、こちらにはやや疑問符が付けられている。
組織変更以外では、現在EVP兼欧州・中南米市場エリア責任者を務めているArun Bansal(アルーン・バンサル)氏が即時に同社を離れることも発表された。同氏はエリクソンに27年間在籍した長年のエグゼクティブだ。後任はまだ発表されていない。
組織変更でエリクソンの試練が増す
エリクソンは今年、波乱に満ちたスタートを切っており、こうした動きにはその影響がある。
同社はRANベンダー首位となったことを祝福されていたが、その後すぐに衝撃的な汚職事件によってかき消されてしまった。
エリクソンは2011年から2018年にかけて、イラクでの事業で複数回の賄賂や不正行為があったことを認めている。中でも批判を免れないのは、この間に一部の従業員が支払った賄賂がイスラム国の手に渡った可能性を明確に否定できないことだ。
直近の決算電話会見では、エリクソンの最終的な処分がどうなるかの可能性について、不吉なことにEkholm氏はほとんど詳細を明らかにしなかった。
「今言えることは、当社の判断では金銭的措置などが取られる可能性が高いということだけです」とEkholm氏は話している。「ですが、現時点ではその規模を確実に推定することはできません。この件については現在も進展中であり、イラクでの調査の対象となった歴史的事件や関連事項について当社がお話しできることはまだ限られています」
エリクソンはイラク以前にも、6カ国で17年間に及ぶ刑事上の犯罪行為があったとして米国司法省に10億6,000万ドル(約1,350億円)の和解金を支払っている。その直後に今回の汚職事件が起きたことも残念な点だ。
エリクソンの株主は今年初め、Ericsson氏のCEO続投を支持し、氏が将来考えられる責任を免れることのないようにした。
こうした暗雲があるにも関わらず、Ekholm氏は今回の組織変更について誇らしげな口調で語っている。
「会社全体の調整が終わり、エリクソンは新たな成長段階に入ろうとしています」。氏はステートメントで述べている。「今回のグループ構造の変更は……(中略)……当社の従業員、お客様、事業にとってわくわくするような好機です。当社の中核であるモバイルインフラ事業を今後も成長させ、急速に成長しているエンタープライズ市場の波に乗っていくことができるでしょう。今後2~3年以内に長期目標を達成したいと考えています。市場を上回る速さで成長し、グループ全体で15%~18%のEBITAマージン(事業構造改革費用を除く)を達成する目標です」
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on containers, lifecycle service orchestration, cloud automation, and DevOps. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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