IT
文:Dan Muse

米ガートナー、2024年のIT支出予測を上方修正=5兆ドル突破の理由

米ガートナー、2024年のIT支出予測を上方修正=5兆ドル突破の理由

レイオフがあったとか、景気は後退しているといった話を聞いても落ち込むのはやめよう。2024年には業績の回復を目指しているベンダーも、事業目標達成のためにテクノロジーの導入を考えている企業も、楽観的になってよい理由がある。米調査会社ガートナーが17日、2024年の世界のIT支出予測を上方修正したと発表、前年比8%増の5兆600億ドルとした。

実のところ、その前から楽観してよいだけの根拠はあった。ガートナーは1月の前回予測でも、6.8%増という大きな成長を見込んでいるのだ。今回はそこからさらに数字を引き上げるとともに、2020年代末までに世界のIT支出は8兆ドルを突破する見通しだとしている。

「当社が調査しているIT市場セグメントの中でも、ITサービス部門への支出がトップの通信サービス部門に迫る勢いで急増し、9.7%増の1兆5,200億ドルという驚くべき数字に達する見通しです」。ディスティングイッシュト・バイスプレジデント・アナリストのJohn-David Lovelock(ジョンデヴィッド・ラブロック)氏が述べている。「ITの各主要分野では、必要なスキルセットを備えた人材の需給ギャップが拡大しています。そのため、ITサービス企業を活用するケースがますます増えているのです。コンサルティングへの支出が社内ITスタッフへの投資を初めて上回ることになるでしょう」

出典:ガートナー(2024年4月)

データセンターが生成AIに対応

データセンターシステムへの支出についても、昨年の伸び率が4%のところ、今年は10%と大幅に拡大することが予測されている。主な要因は、企業が生成AIの導入を計画していることにある。

2023年は、生成AIが企業の(それに世間の)注目を集めた年だった。2024年には、各社が来年の導入に向けた計画・戦略の策定に力を入れるというのがガートナーの予測だ。「一歩先行しているのが技術プロバイダーです。企業クライアントが見出したユースケースに合わせ、生成AIの機能を既存の製品・サービスに積極的に取り入れています」

また、大規模な生成AIプロジェクトを支える分野、特にサーバーと半導体に対するサービス事業者の支出も増加すると予測している。2024年のハイパースケーラーによるサーバーへの支出のうち、60%近くをAIサーバーが占めるとした。

ガートナーのIT支出予測では、1000社を超えるIT製品・サービスベンダーの販売データを分析している。

Gartner ups 2024 IT spending forecast to top $5 trillion — what’s behind the growth?

Dan Muse
Dan Muse Editor-in-Chief

SDxCentral.comの編集長兼コンテンツ責任者。
20年以上にわたってテクノロジー分野の取材に携わってきた。
CIO.comの編集長を務め、IDG、Ziff Davis、McGraw-Hillなどでさまざまな編集リーダー職を歴任。
テクノロジー・ジャーナリズムの経験に加え、IBMのOffice of the CIOのコンテンツ戦略担当者、IDGのオーディエンス・エンゲージメント担当ディレクターも務めた。
連絡先:dmuse@sdxcentral.com
X:@dmuse
LinkedIn:danmuse01

Dan Muse
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