富士通、トレンドマイクロと提携=スマートファクトリー向けプライベート5Gネットワークセキュリティで
富士通とトレンドマイクロが8日、プライベート5Gネットワークのセキュリティに関する提携を発表した。
両社は日本にある富士通のラボと工場で「Trend Micro Mobile Network Security(以下、TMMNS)」を検証し、スマートファクトリーを想定した環境と実環境でプライベート5Gセキュリティの実証を行う。実地試験は9月まで実施され、その結果に基づいて両社はプライベート5Gセキュリティ製品を商品化する可能性がある。
富士通の執行役員常務5G Vertical Service室の後藤知範室長は、「トレンドマイクロと共同で生み出したこのセキュリティソリューションは、プライベート5Gをミッションクリティカルな分野に適用するうえで重要な技術であると考えています」と話す。
プライベート5Gネットワークはスマートファクトリーを実現する鍵だ。接続と自動化によって工場のデバイスと業務アプリケーションをリンクさせ、生産能力と工場全体のパフォーマンスを向上させる。一方、OT環境におけるITインフラの拡大はサイバー攻撃のリスクを高めることにもなり、こうしたリスクはCOVID-19のパンデミックによって顕在化した。
米Palo Alto Network社による最新のクラウド脅威レポートによると、製造業におけるクラウド関連のセキュリティインシデントは2019年10月から2021年2月の間に230%も急増しており、以前にIBM社が出したセキュリティレポートでは、2020年に最も攻撃を受けた産業は製造業とエネルギー産業であるとされている。こうした環境に対するサイバー攻撃はメーカーにとって特に妨害的で痛手を伴うものとなる。工場でのダウンタイムは重要なサプライチェーンを混乱させうるためだ。
今回の実証実験では、川崎にある「FUJITSU コラボレーションラボ」で、高精細監視カメラ、無人搬送車両などを稼働させ、スマートファクトリーを想定したローカル5Gシステムにトレンドマイクロの「TMMNS」を実装した。これにより、システムの状態やセキュリティ状態を可視化・一元管理するとともに、各デバイスやネットワークからの脅威検知・防御データを連携させることができた。
「TMMNS」は、IoTデバイスに搭載されるSIMカード内で動作するエンドポイントセキュリティと、プライベート5Gシステム上で動作するネットワークセキュリティを備えている。これにより、不正なデバイスやマルウェア感染したデバイスなど内部からの脅威に加え、5Gネットワークを介して侵入しようとする外部からの脅威に対してもスマートファクトリーを保護することができる。具体的には、プライベートネットワーク上の脅威を検知・防御し、ネットワークに接続しようとする機器に対して認証を行い、不正な通信をリアルタイムで遮断する。
富士通とトレンドマイクロは、富士通の小山工場において実環境での検証も行う予定だ。同工場は栃木県にあり、3月末に稼働を開始した。
トレンドマイクロの取締役副社長、大三川彰彦氏は、「サイバー攻撃によって生産がストップすることのないよう、私たちはともにスマートマニュファクチャリングをよりセキュアなものにして参ります」とコメントしている。
※訳注:文中の各氏によるコメント内容は英語からの翻訳です。
Jessica is Managing Editor at SDxCentral covering security technology, trends, and threats. She has worked as an editor and reporter for more than 15 years at a number of B2B publications including Silicon Valley Business Journal, Environment + Energy Leader, and Solar Novus Today. Jessica can be reached at jhardcastle@sdxcentral.com or @JessicaHrdcstle.
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