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文:Julia King

ガートナー予測=2027年までに「空飛ぶ車」「デジタルヒューマン」が破壊的変化に

ガートナー予測=2027年までに「空飛ぶ車」「デジタルヒューマン」が破壊的変化に

【フロリダ州オーランド】
空飛ぶ車、デジタルヒューマン、メタバース――先月オーランドで開催された「ガートナーITシンポジウム2022」(Gartner IT Symposium 2022)の席上、ガートナー社アナリストのダリル・プラマー(Daryl Plummer)氏がこれらについて語った。こうした技術が発展する未来を「予期せぬ寒さ」に喩え、世のCIOが予測していないかもしれない向こう5年間の「破壊的変化」について語っている。

プラマー氏によると、注目すべき「デジタル破壊」というのははじめ市場を強化し、次に拡大、変革、再発明、そして激変させていくという奇跡をたどることが多いという。イベントで氏が語った破壊的技術はいずれもこうしたグラフのごく初期の段階にあるが、CIOであれば今のうちに先手を打っておくべきだ、とプラマー氏は言う。

「明日は今日より寒かったらどうするか?こうした問いは常に持っていなくてはならないものです。『もしこうなったらどうするか』というのは今の時代には最も重要な問いの1つです。『起こりうること』の中にこそチャンスがあり、同時にリスクが高まる潜在性もあるからです」

こうした未来的な製品やサービスの多くは、マルチクラウドや5G SA(スタンドアロン)コア、データセンター、コンピューティング、ネットワークセキュリティへのIT投資いかんにかかっている。

ガートナーは先月、2025年までのIT支出予測を発表しており、業界として既にこの方向に向かっているという所見を述べた。来年の支出については5%増の4兆6,000億ドルと予測している。

 

空飛ぶ車やデジタルヒューマンの未来

プラマー氏は、21世紀には車が空を飛んでいるという長年描かれてきたビジョンが遠からず実現するかもしれないと語った。今や「想像以上に近づいています」と話す。

氏の指摘によると、空飛ぶタクシーやVTOL機(垂直離着陸機)の一般利用が可能になるのはそう遠くない未来だという。ユナイテッド航空はエアタクシー機の複数購入で1000万ドルを前払いしており、2024年までに納入開始となる予定だ。

氏によると、「輸送システムの大きな変化」が目前に迫っているという。「広告エアスペース」が登場し、新しい航空管制インフラが使用され、都市の再形成と「歩行者専用化」が進むと氏は考えている。変化を前に、こうした乗り物で輸送上のどういった問題を解決しうるのか、CIOは見極めるべきだと語った。

AIボットやアバターなどのデジタルヒューマンもかつては未来を描いた夢だったが、既に身近な存在となっており、今後もさらに増えていくだろうと氏は言う。デジタルヒューマンにはアイデアマイニングやマルチプレゼンス、コンパニオンロボットなどの可能性がある一方、知的財産権管理の面では潜在的に課題も抱えている。

ガートナーの「Maverickリサーチ」では、2035年までに「デジタルヒューマンエコノミー」(DHE)は1,250億ドルの市場となり、その後も成長を続けていくと予測している。これを踏まえてプラマー氏が世のCIOに提案するのは、デジタルツイン技術に慣れることを始め、パーソナルアシスタントの利用ガイドラインを検討し、職場ではデジタルアバターの利用を奨励することだ。

「慣れていく必要があります」と氏。「デジタルヒューマンの活用シーンは無数に存在する」ためだとした。

 

メタバースについて――仕事の在り方を再考

プラマー氏によると、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって人々が「何かを受け入れるのをいとわない」時の在り様が変化したという。多くの人がバーチャルリアリティ体験を試そうとするようになったのだ。

2027年までにはメタバース技術への投資増のうち30%を完全仮想ワークスペースが占め、これによってオフィス体験が根本的に見直されることになるだろうと氏は指摘する。その頃には「バーチャル世界の勝者」が複数現れ、メタバース技術を中心に、データセンター、仕事や遊びのためのソフトウェアプラットフォーム、各種デバイス、仮想通貨、住宅などを支配するという。

プラマー氏は世のCIOに対し、メタバースによる破壊的変化に備え、メタバースが持つ可能性を中心に仕事の在り方について改めて考えてみることを提案している。「寒い日にジャケットなしで家を出る」ことを避けるためだ。

「思い出してください。前もって準備しておく方がよいのです」

https://www.sdxcentral.com/articles/news/gartner-foresees-flying-cars-digital-humans-as-disruptors-by-2027/2022/10/

Julia King
Julia King Editorial Assistant

Julia King is an Editorial Assistant at SDxCentral covering secure access service edge (SASE) and secure service edge (SSE). She also writes the monthly Money Moves and Headcount articles. She graduated from the University of Colorado at Boulder with a degree in Journalism and Spanish. Julia can be reached at jking@sdxcentral.com

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Julia King is an Editorial Assistant at SDxCentral covering secure access service edge (SASE) and secure service edge (SSE). She also writes the monthly Money Moves and Headcount articles. She graduated from the University of Colorado at Boulder with a degree in Journalism and Spanish. Julia can be reached at jking@sdxcentral.com

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