2023年、データセンターへの設備投資はどこまで落ち込むか
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2022年、クラウドサービス事業者のAmazon、Microsoft、Meta、Googleのデータセンター関連設備投資額は33%増加、1,000億ドル(約13兆4,060億円)をほとんど突破するところだった。一方、2023年はまた違った展開になりそうだという。米調査会社Dell‘Oro Group(デローログループ)のリサーチディレクター、Baron Fung(バロン・ファン)氏による第4四半期クラウドサービス市場の独占ハイライト記事が紹介している。
ファン氏が米SDxCentralの取材で語ったところによると、クラウド事業者各社のデータセンター拡張サイクルは終わりが近いという。2022年は新しい地域でのデータセンター新設を進め、AI最適化インフラにも注力したため支出が続いた。データセンター関連設備投資額はサーバー、ルーターや光伝送システムなどのネットワーク機器、データセンター建設費用、物理インフラ機器を対象としたもので、設備投資総額の中の1カテゴリーだ。
2023年、上位4社は「拡張サイクルが一段落し、消化サイクルに入ります。(設備投資の伸びは)1桁台半ばまで減少するでしょう」とファン氏は予測する。消化サイクルの詳しい内容は各社で異なるが、期間としては平均で3~4四半期続くとした。とはいえ、同社予測では上半期の設備投資は既存の受注残によって伸び続け、「1年をかけて伸びが穏やかになっていく」としている。
ファン氏によると、今年のクラウドサービス事業者は「設備投資にさらに慎重になりつつ」 「インフラの合理化を続ける」という。Google Cloudなどが収益化に苦労している中ではなおさらだ。ハイパースケーラー各社の直近の決算報告でも明らかなように、最近のマクロ経済の不安定さで各社の広告収入には大きな悪影響があった――特にAmazon、Google、Metaで顕著だ。また、企業がIT支出の最適化を図る中で、パブリッククラウドの導入が減速しているとファン氏は指摘する。
AIインフラへの注目
今年のクラウドプロバイダー市場に影響しそうな主な要素の1つにAIアプリケーションがある。Microsoftの「OpenAI」統合、Googleの「Bard」、Metaのメタバースへの取り組みなどだ。
「Metaが2022年に多額の投資をしたように」、計算量の多いAIワークロードでは計算を高速化した専用インフラを展開する必要があるという。「Metaは専用設備を構築するのではなく、AIクラスターを汎用ワークロードと並行して運用できるようなモジュール型アーキテクチャに移行していくだろうと考えています」
また、Googleではデータセンターの地域を拡大する計画がないことから、「(2023年の)資金は次世代サーバーとAIインフラに向けられるでしょう」と予測する。そのようなAIインフラでは「アップグレードにはコストがかかるものの、(米国の)物価は下落していますし、最近同社ではサーバーの耐用年数を変更したため相殺できるでしょう」と説明した。
Microsoftはサプライチェーンの遅れの影響でデータセンターの展開が遅れたため、2022年のデータセンター関連設備投資額は他の上位プロバイダーよりも伸びが鈍かった。とはいえ、「2023年は(プロジェクトが完了すれば)Microsoftが上位4社でトップになるだろうと予測しています」とファン氏は述べている。
![Emma Chervek](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/Emma-Chervek-02.jpg)
SDxCentral のレポーター。データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
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