Huawei社がNokia社・Ericsson社を圧倒、米Dell’Oroグループのレポート
通信機器市場では依然としてHuawei社が勝っている。米調査会社Dell’Oroグループによると、Huawei社の勢いをそごうと米政府と一部の同盟国が1年に渡って取り組んできたにもかかわらず、2020年の同社は第3四半期末までのあいだ成長を続け、さらなるシェアを獲得したという。
同グループの最新のレポートでは、Huawei社の世界市場シェアは2018年の28%から今年の9月末までの間に30%に伸びたと述べている。Dell’Oroグループによる有線・無線ネットワーク向け通信インフラ業界に関する業界全体の評価には、ブロードバンドアクセス、マイクロ波トランスポートおよび光トランスポート、モバイルコア、無線アクセスネットワーク(RAN)機器、ルータ、キャリアイーサネットスイッチなどの分野が対象として含まれている。
Dell’ OroグループのVP、Stefan Pongratz氏はブログに書いた中で、「通信機器市場は全体として、相変わらず背後にある経済活動とは切り離されているように見えます」と述べている。「モバイルブロードバンド市場で導入が進まず設備投資が減っているなかで、これを埋め合わせるのに目下4Gから5Gへの移行が進んでいることが助けとなっています。また、接続の重要性が増していること、今の景気後退はこれまでとは性質が異なることが通信事業者の見通しを良くしていることも原因でしょう」
中国のHuawei社とZTE社、市場シェアの41%を獲得
中国での投資や現在行われている通信インフラの展開が世界市場のそれを上回る規模だったことで、Huawei社・ZTE社の市場シェアは2019年から2020年第3四半期までの間に合わせて約3%増加する結果となった。Dell’Oroグループによると、2020年9月末の時点で、この2社は世界の通信機器市場の41%を占めているという。
米Rosenblatt証券のアナリスト、Ryan Koontz氏が最近のレポートに書いたところによると、Huawei社の苦境は同社製の機器にとって代わることに成功した競合ネットワーク機器ベンダー各社にとってはビジネスチャンスとなっており、2021年には50億ドル(約5200億円)の売上、2024年には最大170億ドル(約1兆7500億円)の売上を生み出す可能性があるという。Ericsson社、Nokia社、Samsung社がこうした売上のうちかなりの部分を獲得しようとしている。RAN機器のリプレイスによる売上のうちEricsson社は最大50%を、Nokia社は約20%を獲得する可能性がある、と氏は補足した。
Nokia社はDell’OroグループのレポートによるとHuawei社に次ぐ競合だが、2019年には市場シェアの16%を占めていたのが第3四半期末には15%となり、レポートの対象期間にシェアを1%失った形だ。Ericsson社は市場シェア14%を堅持、ZTE社は同期間に9%から11%に成長した。
上位7社のシェアを四捨五入すると、Cisco社は7%から6&に減少、Ciena社は3%を維持、Samsung社は3%から2%に減少したという。大手通信ベンダー7社のシェアは81%だ。市場全体の成長率は第3四半期で前年同期比9%、9か月間では同5%となっている。
通信機器市場の規模、2021年には950億ドルに
通信機器の世界市場は第1四半期、前年同期比で4%縮小したが、Dell’Oroグループによると、この減少はその後、光トランスポート、5G RAN、5Gコア、マイクロ波モバイルバックホールの力強い成長によって相殺され、増加に転じた。マイクロ波トランスポート、ルータ、キャリアイーサネットスイッチへの今年9月間の投資額は減少となっている。
Dell’Oroグループは市場全体の見通しを述べた中で、通信機器市場全体の売上は2020年には最大6%、2021年には4%増加し、来年の総売上は950億ドル(約9兆8000億円)に近づくと予測している。
SDxCentralのシニアエディター。5Gネットワークオペレータ、無線アクセスネットワークサプライヤ、通信事業者ソフトウェアベンダー、クラウドを担当している。彼はiPhoneの夜明け前からテクノロジーについて書いており、ソーシャルになる前からメディアをカバーしている。
連絡先: mkapko@sdxcentral.com または @mattkapko
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