IBM、Power10搭載サーバーを拡充=「驚異的な」パワーと性能をアピール
IBMは12日、Power10プロセッサを搭載するサーバー製品のラインナップを拡充し、スケーラブル・サーバーとミッドレンジ・サーバーを発表した。IBMのバイスプレジデントでPower製品マネジメントを担当するスティーブ・シブレイ(Steve Sibley)氏によると、「これまで作られた中で最も高性能な製品」だという。
同社は昨年9月にPower10搭載のハイエンド・サーバーを発表した。今回はスケールアウト・サーバーの「Power S1014」、「Power S1022」、「Power S1024」へと製品ラインを広げ、中小企業やリモートオフィス環境、ブランチオフィス環境向けのオンデマンド容量アップグレードなどのエンタープライズ機能を提供する。併せてミッドレンジ・サーバーの「Power E1050」も加わった。
「ミッドレンジ製品としてはいますが、実のところ最も高性能なインテルベースのプラットフォームとほぼ同じスペックにまで拡張可能です」。シブレイ氏が米メディアSDxCentralに対して語っている。「実際、当社の知る限り、デルやHPやレノボ、その他どんなインテルベンダーから購入できる8ソケットのインテルサーバーよりも高いパフォーマンスを発揮します」。IBMによると、Power E1050は4ソケットサーバーだという。
シブレイ氏の説明によると、Power10製品ラインは「前モデルに比べてコア数は2倍以上、性能は2.5倍から3倍」であり、高度なセキュリティおよび信頼性機能、AIアクセラレータを備えているという。
「多くのお客様がデータベースやトランザクションワークロードに次いでAIモジュールを導入し始めています。そこで当社はそうしたワークフローを高速化する機能を組み込みました」。金融サービス業界の信用スコアリングや、小売業界や流通業界の機械学習アルゴリズムを使った価格設定についてこのように述べている。
処理量の増加、リソースの削減
ミッドレンジのPower E1050には「大量のメモリと処理能力」が搭載されており、効率の向上と消費電力の削減が可能となっている。
シブレイ氏によると、同製品は「非常に大規模なワークロード向けに、リソース効率に優れたエントリーポイント」を提供するという。顧客は「システム上のさまざまなワークロードを統合して実行」することができ、持続可能性と効率性の面でメリットがあるとした。
「1つのシステムで多くのワークロードを実行すれば必要なシステムの数が少なくなり、システムが少なければデータセンターの消費電力やスペースの節約になります」。氏は説明している。「お客様がデータセンターのエネルギー消費やスペースを削減するに当たり、これらのシステムがお役に立てるでしょう」
各地域のサステナビリティの状況
シブレイ氏によると、欧州と米国の顧客企業は持続可能なITに対する取り組み方が大きく異なるという。
「欧州では持続可能性が優先事項の1つになっています」。顧客企業とのミーティングでは、IBMが自社の持続可能性向上をどう支援できるのかについて具体的な質問をされるという。「お客様は、やってきた相手に (持続可能性について) 話してほしいと思っているのです」。一方、「米国では(優先事項というよりも)追加ボーナスのような扱い」だという。「お客様がシステムを多数所有している場合には大きな違いとなりますが、少なければお客様のESGへの取り組みの中ではやや重要度が下がる位置づけとなります」
セキュリティの向上
IBM Powerゼネラルマネージャー、ケン・キング(Ken King)氏によると、4つの新システムはいずれも透過的メモリ暗号化を備え、隔離機能が強化されており、新たに出現したサイドチャネル攻撃を防止するという。これによってパフォーマンスを犠牲にすることなくハイブリッドクラウド環境のセキュリティを強化している。氏が自社ブログで説明している。
Power10シリーズのその他のセキュリティ機能には、量子安全暗号化や準同型暗号化といった高度な暗号化をサポートした標準などがある。
Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering environmental sustainability and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.
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