米農機メーカーのジョン・ディア、衛星技術による新しいコネクティビティを模索

【アイオワ州デモイン】
ジョン・ディア(John Deere)というブランド名で知られ、略称にもなっている農業機械メーカーの米ディア・アンド・カンパニー(Deere & Company)がこのほど、衛星事業者に対してRFP(提案依頼書)を発行した。2026年までに150万台の農業機械を接続、自動操作の実現を目指す。
同社の農機はすでに数万台が地上セルラーネットワークに接続しており、現場にいなくても制御・監視することが可能だという。
「当社はここ10年の歩みを進めてきた中で、コネクティビティの重要性を経験してきました。そしてこれから技術がどこへ向かうのか――現在はそうした過去と未来の転換点にあるのです」。生産/精密農業生産システム担当バイスプレジデントのディアーナ・コバール(Deanna Kovar)氏が先月29日、ジョン・ディアの試験農場で記者団に対して語った。
「コネクティビティが現在でも今後においてもいかに重要であるかは認識していました」と氏。しかし、グローバルでの接続状況を調べ始めたところ、「必要としている場所での接続品質が思っていたほど良くなかった」という。たとえば農地の真ん中のような場所だ。農地の近くの道路ではコネクティビティが確保されていることもあるかもしれないが、交通量の多い道路を超えて農村部にまで拡大される可能性は低い。
人口密度の低い地域ではネットワークのカバレッジが標準より低いため、同社は代わりに衛星接続という選択肢を検討している。新興技術担当責任者、ジュリアン・サンチェス(Julian Sanchez)氏によると、衛星通信技術を利用して2026年までに150万台のインテリジェントマシンを接続する計画だという。
このルートを取るためには、全ての機械に軌道上の衛星に送信できる耐久性の高い端末が必要だ。しかし、ほとんどの端末ソリューションは少量生産向けに設計がされており、ディア社のような規模のプロジェクトではコスト効率が低くなってしまう。
CTO(最高技術責任者)のジャミー・ ヒンドマン(Jahmy Hindman)氏は、ディア社のニーズに適したソリューションが「市場に存在していない」と話している。
予算との戦い
こうした空白を埋めるため、ディア社はデモイン郊外にある試験農場にスペクトル所有者や衛星コンステレーション事業者、端末事業者などの衛星業界を代表する人々を集め、新しく協調的な方法で常時接続と自律型農業のためのコスト効率に優れた衛星通信ソリューションを開発できないか議論した。
「端末のコストを1桁下げる必要があります。これがどれほど重要なことか――これが要望です」。ヒンドマン氏は言う。
衛星通信機器のコストがRFPを発行した理由の1つになっているようだが、価格は同社の求めるソリューション要件には入っていない。「私たちは業界を1つにしたいのです。最高の頭脳を結集できれば結果を出せるし、数字を並べ立てることが最善ではないこともあると考えています」。コバール氏が説明している。
ディア社の衛星通信構想にとってもう1つ問題となるのがデータ通信料だ。「当社ではペタバイト単位の情報をやり取りしています。経済性を担保するためにはデータ構造も大事になるでしょう」。ヒンドマン氏が付け加えている。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/john-deere-seeks-novel-satellite-tech-connectivity/2022/09/

Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering data center technologies and business cases, environmental sustainability, and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.

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