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文:Dan Meyer

ジュニパーネットワークスが臨時株主総会=HPEによる買収に「GO」

ジュニパーネットワークスが臨時株主総会=HPEによる買収に「GO」

米ジュニパーネットワークスの株主総会で、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)による140億ドルでの買収がほぼ全会一致で承認された。来年早期の買収完了および堅実な株主利益の確保に向けて歩みを進める。

同社による直近の――おそらく最後となる――「臨時総会」で決議され、賛成票が2億6,500万票を超え、反対票の1,000倍を上回る結果となった。

取締役会は1月に買収提案が発表された時から支持を表明していた。

ジュニパー側は堅実なリターンを確保―業績は不安定

今年に入り、HPEがジュニパーネットワークスに買収を提案した。評価額は買収のうわさがニュースになる直前の終値による時価総額に32%というプレミアムを上乗せした金額で、昨年にジュニパーネットワークスが経営安定化を目的とした企業再建計画を発表後、底を打った時と比較すると40%も高かった。

再編後の経営がまだ少し不安定だったことを考えると、株主にとっては堅実なリターンだ。

2023年はエンタープライズ事業の成長がクラウド事業、サービスプロバイダー事業の落ち込みを上回り、売上高5%増を達成したものの、第4四半期の売上高については前年同期比6%減、前四半期比2%減となった。また、通期純利益は人件費の高騰やリストラ費用によって、34%減の3億1,020万ドルに落ち込んでいる。

ジュニパーは買収契約を完了する前に中止することも可能だが、その場合はHPE側に4億750万ドルの契約解除料を支払う必要がある。逆に、万一HPEが買収を完了できなくなった場合には、8億1500万ドルの契約解除料を受け取ることになる。

HPE側は未来への投資

HPEは買収費用の調達について、融資の約束を取り付けており、いずれはこれを新たな負債、強制転換型優先証券、手持ちの現金に置き換えるとしている。買収完了後は3年以内に年間4億5,000万ドルの経費削減効果を見込む。

HPEの株主は当初、この買収案に乗り気ではなかった。買収発表前には18ドルに迫っていた株価が、2月下旬には15ドルを下回っている。その後は堅調な決算を受けてセンチメントが回復、3月上旬には一時20ドルを超えた。

アナリストらは買収について、HPEにとってプラスだという見方をしている。ジュニパーネットワークスのAI事業を利用してのネットワーク事業強化に向けた、重要な投資だと指摘する。

「財務的には、HPEにとって見事な成功です」と米調査会社Futurum GroupのRon Westfall(ロン・ウェストフォール)氏とSteven Dickens(スティーブン・ディケンズ)氏がブログ記事で述べている。「営業利益に大きく貢献する(ことが見込める)」、「HPEの未来に対する堅実な投資です」と書いている。

Juniper shareholders go all in on HPE deal

Dan Meyer
Dan Meyer Executive Editor

電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime

Dan Meyer
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