キンドリル、データ分析やAIでGoogle Cloudと提携
キンドリルは9日、Google Cloudとの戦略的提携を発表した。データ分析、機械学習、AIに明確に重点を置いた新しいデジタル変革サービスシリーズの開発に取り組む。
「Google Cloudが持つグローバルインフラと先進的な技術、AI、機械学習、データ分析などを世界最大のITインフラサービス事業者であるキンドリルが提供することにより、グローバル企業のお客様が従来よりも速やかに新たなデジタルビジネスを立ち上げ、クラウド環境上で最も重要なワークロードを運用できるよう支援することができます」。Google CloudのCEO、Thomas Kurian氏がステートメントで述べている。
キンドリルはGoogle Cloudと協力してマネージドSAPサービスを拡大し、新しいエッジアプリケーションやデータ中心型アプリケーションを開発するとともに顧客の大手金融機関によるクラウドへの移行を支援する計画だ。
また、こうした取り組みを支えるため、やはりGoogle Cloudと協同で「Google Cloud Academy for Kyndryl」の立ち上げに取り組んでいる。8万人を超える技術スタッフを速やかにGoogle Cloudの各サービスに習熟させる狙いだ。
RSA、BMW、Raytheonとの契約を獲得
この提携が発表されたのはキンドリルが顧客獲得に忙しくしている週のことだった。サイバーセキュリティ・リスクマネジメント企業の米RSA、ドイツの自動車メーカーBWM、米防衛関連企業のRaytheon Technologiesとの契約を獲得している。
Raytheonはマルチベンダー、マルチクラウドの複雑な移行を行うに当たり、キンドリルの支援サービスを利用する。データセンターのフットプリントを60%削減する計画だ。
RSAも類似の移行プロジェクトでキンドリルを選んでいる。85テラバイトを超えるデータをクラウドに移行する。同プロジェクトでは3つの大規模なメインフレーム環境をzCloudというIBMのマネージドクラウドメインフレームプラットフォームに移行、一般データ保護規則に関する規制要件を遵守できるようにする。
BMWは17カ国で保有するデータセンターインフラを最新化するため、キンドリルおよび米NetAppと提携している。この契約では、キンドリルはNetAppのハイブリッドクラウドデータ基盤プラットフォームとストレージサービスの統合を主導する。
キンドリルの独立
9日に発表されたGoogle Cloudとの提携はキンドリルが最近結んだマイクロソフトとの提携と類似したものだ。また、数週間前にはアプリケーションの最新化とマルチクラウドの課題に対処するため、米VMwareとも提携している。
先月初めにIBMのグローバルテクノロジーサービス(GTS)事業グループから分離独立して以来、キンドリルは急速に元親会社のIBMから遠ざかる動きを取っている。
計画的なスピンオフの結果、キンドリルはKDというティッカーシンボルでニューヨーク証券取引所に上場している。比較的新しい会社ではあるが、マネージドインフラの分野ではすでに確固たる地位を築いており、顧客数は4,600社以上、従業員は世界に9万人おり、年間売上高は190億ドル(約2兆1,600億円)と推定されている。
マネージドサービスを拡大する新しい提携を結ぶことはCEOのMartin Schroeter氏にとって当初から重要な優先事項だった。「当社はお客様の成功をサポートするためのパートナーエコシステムに投資し、クラウド、データ、セキュリティ、インテリジェントオートメーションなどの市場機会を拡大することに注力しています」。氏はあるステートメントで述べている。
こうした戦略はIBMの上層部の下で取っていたアプローチを完全に逆転させたものだという。キンドリルでグローバル提携を主導するStephen Leonard氏が過去に行われたSDxCentralのインタビューで語っている。
「IBMのGTS戦略は何年ものあいだ、IBM Cloudでリードし、IBM Cloudでのみリードし、IBM Cloudでのみ提供するというものでした」と氏は言う。また、IBM Cloudは一部の顧客には適していたかもしれないが、こうした戦略はGTSの顧客の大部分を遠ざけることにしかならなかったと話している。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/kyndryl-taps-google-cloud-for-data-analytics-ai/2021/12/
Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com
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