米Masergyと米GTTがSD-WANを強化、米AryakaはVodafone社との契約獲得
マネージドSASEプロバイダーの米Masergyは7月中旬、新製品「Masergy Performance Edge」プラットフォームを発表した。公共ブロードバンドをプライベートイーサネットのように機能させられる製品だという。
同プラットフォームは、同社の提供するFortinetなどのマネージドSD-WAN・SASEソリューションと連携し、公共ブロードバンド利用時のパケットロスを最小限に抑える。
同社によると、ブロードバンドのパフォーマンスは往々にして期待に応えられないことがあり、特に音声会議やビデオ会議などのリアルタイムアプリケーションでそうしたケースが多いという。引き合いに出したのは米コンサルティング企業のAltman Solonによる最近の調査だ。公共ブロードバンドを利用しているITリーダーの半数がパフォーマンスは不十分だと回答している。
Masergy社によれば、その結果、MPLS回線からブロードバンドへ移行してコスト削減効果を得たとしても、生産性や売上の低下によって帳消しになってしまうことが多いという。新しいプラットフォームではプライベート回線に比べてコストを70%削減できるほか、AIOpsプラットフォームと統合したことによってサービス停止を減らすこともできるとする。
CEOのChris MacFarland氏は、リモートワークやハイブリッドワークモデルを採用する企業が増えるなか、こうした課題はますます広がっていくだろうと述べている。「リモートワークの成功がネットワーク接続の種類によって左右されるべきではありません。そうしたことが起きないようにするために、当社はMasergy Performance Edgeを開発しました」と氏は言う。
米GTT、コマネージドSD-WANソリューションを発表
一方、マネージドサービスプロバイダの米GTT Communicationsは7月下旬、管理ポータル「EtherVision」にコマネージド(共同管理型)SD-WAN機能を導入した。
新しいサービスレベルでは、アプリケーションのルーティング、サービス品質、ファイアウォールポリシーやオブジェクト管理といったセキュリティ機能に対するSD-WANポリシーを顧客がコントロールすることができる。
また、管理機能を顧客に公開するだけでなく、同ポータルには脅威イベント、パケットロス、レイテンシ、ジッタ、トラフィック量などのネットワーク指標に関する詳細なテレメトリが含まれており、顧客がより多くの情報に基づいた意思決定を行えるようになるとしている。
GTT社のCOO、Don MacNeil氏によると、この新しいサービスによって顧客は進化する脅威に迅速に対応し、ネットワーク利用を最適化することができるという。「当社はお客様の声に耳を傾け、変化するクラウドネットワーク要件に対応していくためにセルフサービス機能を進化させています。これはその一例です」
フィジーのVodafone Fiji、米Aryakaと提携
SD-WANベンダーの米Aryakaは7月中旬、フィジーの通信企業であるVodafone Fijiとの契約を獲得した。島国である同国のクラウド接続の課題に取り組む。
Aryaka社によると、この地域のクラウドテナントの多くはシドニーやシンガポールでホストされており、太平洋諸島の企業は遅延や帯域幅の問題に直面することが多く、アプリケーションのパフォーマンスが制限されてしまっているという。
Aryaka社はシドニー、シンガポール、ニュージーランドのオークランドなど、30都市にエッジロケーションを持つグローバルなプライベートネットワークを運用しており、これは課題解決に理想的な配置だとしている。
Vodafoneの顧客で同サービスを最初に導入した組織の1つに、オーストラリアの持続可能な経済発展を推進するMarket Development Facility(MDF)がある。また、Vodafone自身も社内で同プラットフォームを利用している。
Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com
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