米Meta、3つのプロジェクトをオープンソースに寄贈=コネクティビティ改善技術
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Meta(旧Facebook)がLinux Foundation(LF)に3つのネットワーク関連プロジェクトを寄贈、新たなイニシアチブ「LF Connectivity」として立ち上げる。提供する3つのプロジェクトは固定/モバイルネットワーク双方のコネクティビティの向上を目的としている。
このうち「Terragraph」は無線ネットワークのラストマイル接続の改善技術プロジェクト、「Open M-Plane」(以前はEvenstarという名称でMetaが開発)はO-RAN Alliance準拠のマネジメントプレーンをオープンソースで実装するプロジェクトだ。3つ目のプロジェクト「Maveric」ではAIを使用したセルラーネットワーク展開の最適化支援に取り組んでいる。
「こうした技術をオープンアクセスにすれば、大小の企業による新しいソリューションの開発が加速されると考えています」。Metaのエンジニアリングディレクター、Shah Rahman(シャー・ラフマン)氏が米SDxCentralの取材で語った。「Linux Foundationのガバナンスは中立的であり、各プロジェクトの今後の方向性については公平性が確保されることになります」
01「LF Connectivity」と「LF Networking」の違い
LFは既に様々なネットワーク関連プロジェクトを多数ホストしており、「LF Networking」という名称の統括組織が存在する。
LF Connectivityが注力する対象はLF Networkingとは異なるものだ。LFのネットワーク担当ゼネラルマネージャー兼シニアバイスプレジデント、Arpit Joshipura(アルピット・ジョシプラ)氏の説明によると、LF Connectivityの焦点は高密度エリアでのコネクティビティ向上あるいは農村部での接続にあるという。LF Networkingの主旨はオープンソースの中核的なネットワーク関連技術スタックを統括し、相互運用性のためのプラットフォームとなることだ。LF Connectivityはこれを補完する関係にある。
Joshipura氏によると、LF Connectivityはオープンソースプロジェクトの統括組織としてコネクティビティ領域の幅広いサブプロジェクトで構成、高帯域幅の固定/モバイルネットワークが抱える様々な課題の解決に取り組むことになるという。
023つの基本プロジェクトがオープン コネクティビティにもたらすもの
LF Connectivityの初期プロジェクト3つはLFにとっては新しいものかも知れないが、展開状況からすると全く新しいものというわけではない。
Joshipura氏によると、Terragraphは2015年からFacebook(当時)で開発されていたという。Terragraphには安定したエコシステムがあり、現在も拡大を続けている。シリコンサプライヤーや先進的なアンテナモジュールのベンダーが関わり、複数のOEMがTerragraphを搭載したハードウェア製品と関連サービスを提供している。
「世界中の多くの接続サービスプロバイダーがTerragraphベースのソリューションを採用しています」
Open M-Planeの目的は、O-RAN Allianceの業界標準仕様に対応した5G NR無線機向けのディスアグリゲーション型ハードウェア/ソフトウェアコンポーネント、とりわけWG(ワーキンググループ)4が仕様を定めたオープンなフロントホールインターフェイスを開発することだ。また、同プロジェクトは異なるハードウェアプラットフォームへの移植性を確保するためのハードウェア抽象化レイヤーを中心に構成されているという。
Mavericの目的はシミュレーションやテストを通じてRAN技術の向上に寄与することにある。Joshipura氏によると、同プロジェクトではラボ環境で再現できる商用ネットワークのサンプルを構築、自律的な展開に先立ってRANおよびRIC(RANインテリジェント コントローラー)機能やサードパーティ製のアプリケーションをテスト可能にすることを目指しているという。
「LF ConnectivityでのMavericの活動内容としては、商用RANネットワークからデータを取得、トレーニングに使用した各種機械学習モデルを試作、商用RANシミュレータプラットフォームに組み込む研究などもあります」
03LF Connectivityの次なる一歩
LF Connectivity の取り組みはまだ始まったばかりだ。オープンソースでの技術提供は活動の一部にすぎない。
Joshipura氏によると、LF Connectivityは今後、コミュニティの参加やミーティングを伴う中立的なガバナンスを形成する段階に入っていくという。ガバナンスの構造としては、全体に対する諮問委員会および個別の技術運営委員会が設けられる予定だ。
「向こう数ヶ月の間は、各サブプロジェクトの持続可能なコミュニティを形成することに注力することになります」と氏。「いずれ新しいプロジェクトも加わり、新たなコネクティビティ ソリューションの改善に寄与していただけると期待しています」
Meta contributes 3 open-source projects to improve network connectivity
![Sean Michael Kerner](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2023/04/image_20230407_15.55.17.png)
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