クラウド
文:Dan Meyer

クラウド市場分析=AWSのシェアをMicrosoft、Googleがわずかに侵食

クラウド市場分析=AWSのシェアをMicrosoft、Googleがわずかに侵食

世界のクラウド市場は今年の第1四半期もAmazon Web Services(AWS)、Microsoft、Google Cloudが支配した。クラウドインフラサービスへの企業支出は760億ドルで、そのうち4分の3を3社が占めている。

米調査会社Synergy Research Group(SRG)のレポートによると、第1四半期もAWSが市場の31%を占め、最大のシェアを維持した。前四半期比では横ばいだが、前年同期の32%からはわずかに減少した。とはいえ、気の毒に思うことはない――クラウド支出は全体として、2023年第1四半期から21%の大幅増となっている。

最も称えるべきは、市場シェアの拡大に成功したMicrosoftかもしれない。第1四半期はMicrosoft Azureが市場の25%を占めた。前年同期は23%、2023年末には24%と、着実にシェアを伸ばしている。

Google Cloudのシェアは昨年末と同じ11%となり、前年同期からは1ポイント増加した。

SRGのレポートには、AWSが大きなリードを保つ一方、前年比で大きく成長したのはMicrosoftとGoogleだと書かれている。「四半期成長率については、3社とも、2四半期連続で大きく上昇しています」

3社は最近になっていずれもエグレス料金を廃止、市場で競争を続けている様子が浮き彫りになっている。また、容量を拡大するために多額の投資を続けており、SRGの最近のデータでは、3社で世界のハイパースケールデータセンター容量の60%を占めていることが分かった。

急拡大するクラウド市場=AWS、Microsoft、Googleがリード

SRGはクラウドインフラサービス市場の売上高データに含めている対象として、IaaS、PaaS、ホスト型プライベートクラウドサービスを挙げている。このうちIaaSとPaaSが「市場の大半」を占め、「第1四半期には23%成長した」と指摘した。

地域別で見ると、今も米国が世界でも突出した最大市場となっている。第1四半期にはさらに20%成長し、市場規模としては、アジア太平洋(APAC)地域全体を上回っている。APAC市場は第1四半期、最も高い成長率(25%)を記録した。

市場全体でも、過去12か月間のクラウドサービス支出は2,830億ドルに到達。SRGは今後も堅調な成長が続くと予測している。もともとの市場の強さに加えて「生成(AI)技術や関連サービスの影響に少なからず助けられ」、「経済や通貨、政治面での逆風」が緩和されつつある中、これを押し返しているとした。

「当社は以前のレポートで、2022年秋から2023年の大半の期間、クラウド市場の成長率が外的要因によって抑制され、常になく低いものになったと報告しました。また、成長率は回復するという予測も出していましたが、現在そうなっている様子がみられます」とチーフアナリストのJohn Dinsdale(ジョン・ディンズデール)氏が書いている。「年間予測についてですが、現在の市場規模は3,000億ドルで、年率21%で成長しています。市場がこれだけ大規模になれば、2022年以前のような成長率に戻ることはないでしょう。とはいえ、今後4年間で市場規模は倍増すると予測しています」

Microsoft, Google eat into AWS’ cloud domination

Dan Meyer
Dan Meyer Executive Editor

電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime

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