モバイルエッジへの投資予測、39%減

モバイルエッジコンピューティング市場の勢いが鈍っている。米調査会社Dell' Oroグループは、通信事業者によるSA(スタンドアロン)方式の5Gコアネットワークの導入が進まないことから、MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)への2025年までの累積投資額予想を39%引き下げることにした。
Dell’ Oroグループのリサーチディレクター、David Bolan氏は、「MECへの5年間での累積投資額は110億ドル(約1兆2,080億円)になると予想しています」と話す。半年前に発表した前回の予測では、180億ドル(約1兆9,770億円)となっていた。
「予測を引き下げた唯一最大の要因は、中国を除いて、SA方式5Gネットワークの立ち上げが遅れていることです」とBolan氏は説明。
現在、世界で稼働している5Gネットワークのうち、SA方式5Gコアネットワークで稼働しているものは10%に満たない。ほとんどの5Gサービスは依然として4G LTEを頼みとしている状態だ。
この遅れの原因の1つは、「パブリッククラウドサービスプロバイダを利用した場合にどのような役割を任せられるかを5Gサービス事業者各社が調査中」であることだという。
じっさい、米AT&Tは最近、マイクロソフトに「Network Cloud」技術を売却し、5Gコアネットワーク、各種ワークロード、各種サービスを「Microsoft Azure for Operators」に移行する方向に舵を切った。米Dish Networkはパブリッククラウドで5Gコアネットワークを稼働させる最初のネットワーク事業者になる計画だ。
モバイルエッジの標準化はまだ十分に進んでいない
Bolan氏によると、フェデレーテッドMECネットワーク仕様については欧州電気通信標準化機構(ETSI)をはじめとする国際通信標準化団体で策定が進められている最中で、まだニーズが満たされていないこともSA方式5Gコアネットワーク展開の遅れに影響している可能性があるという。
MECではSA方式5Gコアネットワークに移行することが決定的に重要な意味を持つ。
Bolan氏は質問への回答で、「MECは4Gでも5Gでも実行できますが、4Gネットワークの場合にはコントロールプレーンとユーザープレーンを分離するアップグレードが必要になります。5Gにはこれがもともと備わっています」と述べている。「さらに、5Gは低遅延という特徴も備えています。予測では4G MECもいくらか市場に出てくると思われますが、MECの大部分は潜在能力をフルに発揮させるためにSA方式5Gをベースにしたものになるでしょう」
Dell’ Oroグループの予測では、MEC投資の大部分は5年間の終わり頃に集中し、予測売上高についても60%が2025年に発生するとしている。Bolan氏によれば、MECの標準、ノウハウ、ビジネスケースが成熟する時期もその頃だと予想されるという。
同予測ではサーバやユーザープレーン機能については考慮に入れているが、APIをサポートするサーバ、コンピュート、ストレージ、トランスポート、MECサイトのネットワークインフラ、MANO(Management and Network Orchestration)については考慮していない。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/mobile-edge-investment-forecast-slashed-39/2021/08/

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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