5G
文:Matt Kapko

Nokia社、クラウドネイティブな5GサービスをGoogle Cloud製品と統合

Nokia社、クラウドネイティブな5GサービスをGoogle Cloud製品と統合

Google Cloud社とNokia社は14日、広範な提携を結んだと発表した。両社はCNF(クラウドネイティブネットワーク機能)、5Gエッジサービス、5Gコアを共同で開発、通信事業者に販売する。

両社によると、Google Cloud社の「Anthos for Telecom」をネットワーク中心のアプリケーション向けプラットフォームとして提供し、Nokia社の5Gサービスやネットワーク構築能力と組み合わせることで、より進化した効率的なクラウドネイティブプラットフォームを5G事業者に提供することが可能になるという。

Nokia社が自社のオンプレミスのITインフラをGoogle Cloudに移行すると発表して3か月、今回の契約が結ばれた。両社によると、複数の技術プラットフォームとサービスをより包括的で統合された商品に融合させるという。

Google Cloud社の広報担当者は質問への回答で、「この提携によってお客様がGoogle CloudNokiaのシステムと連携する際の選択肢、またシンプルさを提供できるようになります。多くの場合、両社から統合済みソリューションを提供することができるでしょう。市場投入までの時間を短縮し、通信サービスプロバイダに対してよりシームレスな5Gへの道筋を提供できる可能性があります」と書いている。

 

Google社とNokia社の強みを融合

Anthosはプラットフォームとして機能し、通信事業者がパブリッククラウドやプライベートクラウドを介してネットワークのエッジ部分にワークロードを移行できるようにするものだが、Google Cloud社はそれだけでなく、人工知能(AI)や機械学習、アナリティクスに関する技術も提供するという。

Nokia社はこの取り組みに当たり、音声コア、IoTプラットフォーム、クラウドパケットコア、NEFNetwork Exposure Function)、データマネジメント、シグナリング、5Gコアを提供する。

同社のクラウドインフラへの移行は8月に新CEOPekka Lundmark氏が就任してから急速に進んでおり、取り組みの範囲も広げつつあるようだ。クラウドへの野望については主にGoogle Cloud社を頼る一方で、ソフトウェア部門では11月、研究開発(R&D)データセンターをHewlett Packard Enterprise社の「GreenLake」に移行する契約を結んだ。Nokia Software社はその際、研究開発機能のプライベートクラウドとしてより柔軟性の高い消費ベースのインフラを実現するため、特にHPE GreenLakeを選んだと述べている。

Google Cloud社とNokia社は、共同でクラウドネイティブネットワークの各種機能を検証し、新しい5G技術を共同開発して通信事業者による5G接続とサービスの展開をシンプルにすることを目指す。両社はそうした各種のサービスを共同で、1つの複合的なサービスとして市場投入する予定だ。

Google Cloud社の広報担当者は、「俯瞰して言えば、通信業界をサポートするに当たって私たちのアプローチは複数の提携、地域、技術レイヤーへと広がっていくでしょう」と話す。

3位のクラウドプロバイダーであるGoogle Cloud社は、「Global Mobile Edge Cloud」と「Anthos for Telecom」プラットフォームのローンチの際にはAT&T社と提携している。

 

通信事業者のクラウド連携が勢いを増す

5Gに焦点を当てたクラウドでの提携はこれまでハイパースケーラとネットワーク事業者のペアによるものがほとんどだったが、ますます多くの5Gネットワークが軌道に乗り、通信事業者がそうした投資を収益化するためのあらゆる支援を求めるようになれば、RANベンダーとクラウドプロバイダーによる協業が増えてくる可能性がある。

実際、欧州の通信事業者のいくつかはNokia社とGoogle Cloud社の組み合わせを称賛している。英BTグループでチーフアーキテクトと務めるNeil McRae氏は、「私たちの顧客が日々の生活の中で頼っているネットワークやサービスは、スケーラビリティ、信頼性、クラウドネイティブな技術による体験といった面では、さらに強化する余地があります」とコメントしている。「当社は、GoogleNokiaが共にイノベーションを起こし、新しいオンデマンドのエッジソリューションとコンバージェンスソリューションを加速させ、消費者や企業に新たな可能性をもたらそうとしていることに興奮しています」

Deutsche Telekom社で戦略・技術革新担当SVPを務めるAlex Choi氏は、ネットワーク自動化、仮想RAN、オープンRAN、クラウドネイティブ5Gコアに関する自社のビジョンが2社の協業によって強化される可能性があると述べた。

Nokia社でクラウド・ネットワークサービス担当CTOを務めるRon Haberman氏は、「この5年間で、通信業界は物理アプライアンスからVNF(仮想ネットワーク機能)、現在ではクラウドネイティブソリューションへと進化してきました」と話す。「クラウドネイティブなネットワーク機能と自動化によって、5G時代の新しい機能とユースケースが可能になります」

Google Cloud社で通信・メディア・エンターテイメント担当VPを務めるGeorge Nazi氏は、Nokia社との契約について、5G接続とクラウドネイティブアプリケーションの提供を通して企業がエッジの新しいサービスを開発するのを支援したいネットワーク事業者に対し、新たな機会を開くものだという。「そのためには、クラウドネイティブな5Gコア向けに構築された、最新のインフラが必要です」と氏はコメントしている。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/nokia-links-cloud-native-5g-services-with-google-cloud/2021/01/

Matt Kapko
Matt Kapko Senior Editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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