Nokia社、5Gサービス向けに「DelOps」とCI/CDサービススイートを発表
Nokia社は先月下旬、以前のものから修正したある取り組みを発表した。CI/CD(継続的インティグレーション/継続的デリバリー)コンセプトを採用した複数のベンダーが提供する5Gコアソフトウェアを、ネットワーク事業者が利用・管理できるようにする。
「DelOps」というのは、5Gコアソフトウェアの複雑さを上手く扱うための新しい取り組みを指すNokia社の用語だ。同社によると、これを採用すれば展開スピードが上がり、通信事業者はさまざまなサービスをより効率的なやり方で統合することができるようになるという。
Nokia社のクラウド・ネットワークサービス部門でコアネットワークサービスのマーケティングマネージャーを務めるEmese Biro氏は質問に答えて、「DevOpsと同様に、DelOpsでは新製品や新機能のTTM(Time to Market:市場投入までの時間)を短縮するためにアジャイルプロセスを利用し、ウォーターフォール型のリリースやアップデートは避けます。また、柔軟性があり、オペレータの環境は様々な異種の要素から成り進化を続けるものですが、そうした性質にネットワークの信頼性を損なうことなく適応できます」と書いている。
同社はクラウドネイティブ5Gコアアプリケーションのライフサイクル全体を管理するためのCI/CDサービススイートに加え、この新しいフレームワークを導入する。Biro氏の説明によると、Nokia社は自社のCI/CDサービスの推進に加えて大きく3つのセグメントを追求しているという。コアネットワーク機能を提供する製品、オペレータが開発したCI/CDフレームワーク、サードパーティのベンダーが提供する構成の3つだ。
「当社の大きな顧客の中には、独自のCI/CDフレームワークを一部あるいは全て開発したところもあります。その場合、当社独自のCI/CDフレームワークを顧客の適切な統合ポイントでモジュール方式によってシームレスに適応させています」とBiro氏は言う。
Nokia社、サービスでソフトウェアの複雑さに対処
提供するサービスには、統合、配信、テスト、コンサルティング、マルチドメイン環境で検証可能な各種の新サービスが含まれている、と氏は言う。また、CI/CDの取り組みは5Gスタンドアロンコアに限られるものではないと付け加えた。
米調査会社Dell’Oroグループのリサーチディレクター、Dave Bolan氏によると、Nokia社のDelOpsが持つ柔軟性は実質的にオペレータの既存のネットワークソフトウェア構成の範囲を広げ、複雑さを軽減できるという。
Bolan氏は質問に答えて、「CI/CDは、同質の環境において1つのソリューションで全てに応えようとするものであったのが、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドのいずれで運用しているかを問わず、異なるオペレータに複数のソリューションで対応するものへと進化しています」と書いている。「これにより、複数のドメインやサードパーティ製ソフトウェア、ハイブリッドクラウド環境を持つ複雑なオペレータ環境において、以前はもっと時間や手間がかかっていた新機能や新サービスの導入を合理化することが可能になっています」
Biro氏はこのテーマをさらに広げ、キャリア各社はWebスケーラや一般的なITの職場よりもはるかに広い環境でCI/CDを適用しなければならないと指摘した。これには複数のドメイン環境、サードパーティ製ソフトウェア、各種のクラウドが含まれる。「DelOpsとは、Nokia社が通信サービスプロバイダの複雑な環境に対処するためにDevOpsの概念を新しく再構築したものです。同社は通信サービスプロバイダにとってCI/CDが他とは異なる点、つまり配信と運用の段階に重点を置いています。だからDelOpsなのです」
Nokia社のDelOpsサービスは現在販売中で、5社のTier 1オペレータが利用しているという。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/nokia-intros-delops-ci-cd-modded-for-5g-services/2021/02/
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
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