NTTグループ、ラスベガス市全域にプライベート5Gを展開
NTTグループ(グローバル事業)がプライベート5G市場で競争力を保っている。ラスベガス市との契約を拡大、現地の企業や市当局、教育機関等の施設を支える広範囲のプライベートネットワークを展開する運びとなった。
同プロジェクトではグループのエコシステムを活用、ラスベガス市内のアクセスポイントを現在の2倍以上に増設する。アクセスポイントはCBRS(市民ブロードバンド無線周波数帯)を利用、CBRSをサポートするサードパーティ製のアクセスポイントやエンドユーザーデバイスと通信が可能なものとなる。
NTTグループの新規事業・イノベーション部門副社長兼CEO、シャヒード・アーメド(Shahid Ahmed)氏がある取材で話したところによると、今回展開するマネージドサービスではCBRSのGAA(General Authorize Access:周波数免許不要の一般認可アクセス)を利用するという。CBRSの3階層のうち1番下の階層で、干渉からの保護は最小限だ。とはいえGAAは使用料が無料であり、そこは魅力となるかもしれない。
CBRSの周波数帯には3.5 GHz帯の帯域幅150 MHzが含まれる。この帯域への接続は階層別の接続プログラムを通じて行う。第1階層は国防総省などの「保護的地位」にある既存免許人が海軍の船舶レーダーや公認の静止衛星地上受信局に利用する。第2階層はPAL(Priority Access License:優先アクセス免許)取得者向け、第3階層がGAAとなっている。
接続はSAS(Spectrum Access System:周波数アクセスシステム)管理者を介して行う。例として米コムスコープ(CommScope)、米フェデレーテッドワイヤレス(Federated Wireless)、ソニー等がある。
「市内のさまざまな場所で色々な用途のテストを行いました」とアーメド氏。「GAAの利点は、この目的でこの地域の周波数帯を割り当ててほしい、とSASに指示できることです。特定の地域やロケーションにそうした帯域を事前に割り当てることができます」
CBRSへの接続はNTTグループが管理する。アーメド氏は「まだ100%の信頼性があるものではないので、しっかりと構造化して継続的に管理する必要があります」と肯定している。
NTTグループと同市は以前にも協業している。2018年後半、NTTグループは同市の安全性、状況把握、交通渋滞の改善を目的に、各種センサーやIoT、ビッグデータ、予測分析を利用した「スマートシティ」のPoC(Proof of Concept、概念実証)を行った。これは2020年の「Accelerate Smart」プロジェクトに発展し、ラスベガス市内に安全状況やメンテナンス問題のアラートをリアルタイムに受信できるソリューションを展開している。
デバイスと接続
アーメド氏は今回の提携拡大で「ラスベガス市に必要であり、明らかにCIOを中心に進めるべきソリューション」を導入するために、LAN機器・プラットフォームを提供する米セローナ(Celona)と協業することについて触れている。
セローナは最近、セルラーデバイスの無料認証プログラムを発表している。同社が提供する企業向け5G LANで4G LTE/5Gエンドユーザー機器(UE)が動作するかどうかの相互運用性テストを行うものだ。プライベートネットワークが広く展開するのを妨げている大きなハードルを克服するための取り組みだという。
学校や生徒が使用するデバイスなど、ネットワークアクセスに必要なデバイスの調達は市の担当となる。
NTTグループのネットワーク管理サービスには人工知能(AI)や機械学習(ML)による知見を提供する機能も含まれ、市はこれを利用してサービスを強化することもできるが、ロードマップは市が管理することになっている。
「ラスベガス市のネットワークですから、市が要件を出しますし、ロードマップを主導します。ネットワーク上で運用するアプリケーションも市が主導することになります」。氏が話している。「このネットワークの重要な特徴の1つは開かれたものだということです。ラスベガス市は市内のサードパーティを誰であれ招き入れる予定です。小さな会社でも、ガレージで遊ぶ子供でも、接続を手に入れて、ネットワークレベルで何か面白いことをして、イノベーションを起こしたい人は誰でもです」
単なる自治体のWiFi 2.0とは違うのか
同サービスは都市主導型の自治体Wi-Fiと比較される。自治体がベンダーと提携して市全体にWi-Fiネットワークを展開する取り組みだ。NTTグループはこのことについては重要視していない。
「自治体Wi-Fiは拡張性のあるソリューションではありません」とアーメド氏は言う。NTTグループが協業している自動車会社について触れ、駐車場で数千台の自動車に無線アップデートを提供していたWi-Fiネットワークを破棄、プライベート無線ネットワークに変更したとした。
「5Gであれば同じエリアをカバーするために必要なアクセスポイントの数はごくわずかで、性能や安全性、信頼性でも上回ります。今回の設計方針の1つになっているのはこのためです」。氏が説明している。
NTTグループは最近VMwareとマネージドエッジ/プライベート5Gサービスを提供する契約を結んでいる。急速に拡大する同市場を狙う。これにより、VMwareはNTTデータが昨年発表したプライベート5G NaaS(Network-as-a-Service)プラットフォーム(P5G)を採用、自社のエッジサービスに組み込んでいる。
一方、NTTグループは新しく提供するEaaS(Edge-as-a-Service)サービスで「VMware Edge Compute Stack」を利用する。VMwareが昨年の「VMworld」で発表したもので、エッジネイティブなアプリケーション向けにVM・コンテナベースのスタックを統合したプラットフォームだ。NTTグループの新サービスはプライベート5G NaaSプラットフォームを含むものになるが、必要に応じて各サービスを個別に導入することも可能だという。
https://www.sdxcentral.com/articles/interview/ntt-private-5g-layers-across-las-vegas/2022/09/
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on Telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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