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文:Emma Chervek

NVIDIAがGPU市場を支配=AI対応マシン向け

NVIDIAがGPU市場を支配=AI対応マシン向け

米調査会社Dell’Oro Group(デローログループ)の最新レポートで、2023年のデータセンターサーバー/ストレージ市場では、米NVIDIA(エヌビディア)が王者となったことがわかった。AIが役員室で盛んに議題に上り、AIアプリケーションの導入が急増するなか、同市場はGPU、カスタムアクセラレーター、FPGAの売上増によって224%の成長を遂げている。

レポートでは、2023年、コンピューティング市場の収益源が、汎用コンピューティングから高速コンピューティングに移っていることもわかった。2022年のGPU市場の成長率が46%であったことと比較するとよくわかる――2024年も2桁成長となる見込みだ。

「企業によるAIアプリケーションの導入が増加し、パブリッククラウドとプライベートデータセンターの両方で、インフラの需要が高まっています」。リサーチディレクターのBaron Fung(バロン・ファン)氏が述べている。「アクセラレーター市場は力強い成長が続くでしょう。ハイパースケール・クラウドサービスプロバイダーがさらに大規模なトレーニングモデルや推論の需要増に対応すべく、次世代のAIインフラを導入するためです」

AMDとインテルは意義ある挑戦ができるか

2023年、NVIDIAはデータセンター向けGPUアクセラレーター市場のシェアを97%とし、圧倒的首位に立った。残りの3%は競合のAMDとインテルが占めている。

NVIDIAと2社の間には広大な開きがあるが、Fung氏がSDxCentralの取材で語ったところによると、「今年は(AMDとインテルが)NVIDIAのシェアをいくらか奪える可能性がある」という。NVIDIA H100は1年前から生産されているが、2社の競合製品もサードパーティのベンチマークテストでH100に匹敵する結果を収めているのだ。

AMDの「有力なGPU」とされるMI300Xは今年後半に量産を開始する予定で、インテルのGaudi3 GPUも遜色のない競合製品となっている。

とはいえ、こうした競合製品の比較検討は必ずしも簡単にできるものではない。「テスト結果の比較は、必ずしもリンゴ同士を比較する時のようにはいきません」と氏は言う。「(結果は)アクセラレーターがインフラにどのように統合されているか、どのようなワークロードを対象としているかによって異なります」

それよりも、顧客が幅広い選択肢を持ち、ベンダーを選べるようになることが重要だという。「エコシステムにとって健全なことです」と語った。

データセンターストレージ市場の王座もNVIDIAが獲得

2023年、NVIDIAはサーバーおよびストレージシステムコンポーネント(アクセラレーター、CPU、メモリ、ストレージドライブ、NICなど)の領域でも最大のシェアを獲得した。レポートでは40%と推定されている。

同市場で競合するインテルとサムスン電子はいずれもシェアを落とし、それぞれ15%、10%となった。インテルはサーバーCPU市場の調整による影響を受け、サムスンもサーバーDRAM市場の調整と「メモリの大幅な価格下落」に見舞われている。

「サムスンのシェアは、出荷量と価格設定の変化によって年ごとに大きく変動することがあります」とFung氏は述べている。

Nvidia dominates GPU market with AI-ready machines

Emma Chervek
Emma Chervek Reporter

SDxCentralのレポーター。データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
連絡先:echervek@sdxcentral.com
X:@emmachervek

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