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文:Matt Kapko

オラクル、通信クラウド市場での差別化

オラクル、通信クラウド市場での差別化

オラクルは1月半ば、通信向けクラウドと各種のアプリケーションやネットワークサポートサービスを「Oracle Cloud for Telcos」という新しい名前で統合した。クラウドアーキテクチャを利用するモバイル事業者向けに提供する。同サービスは「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)とコアネットワークソリューションの「Oracle Communications」、その他オラクルやサードパーティプロバイダが提供する60以上のアプリケーションスイートを統合したものだ。

「当社ではデータやデータ管理の分野で培った経験を生かし、単にインフラを販売するのではなく、アプリケーション指向のアプローチを採用しています」。OCIのグローバルVPを務めるLeo Leung氏は質問に答えて述べている。

氏によると、オラクルは業界特化型のアプリケーション、通信向けのサービスやアプリケーションをネイティブに提供しており、顧客が自社で、あるいはサードパーティと連携してフルスタックを構築する必要を無くしている点で、ハイパースケーラの中でも独自の地位にあるという。

Leung氏によると、通信事業者がオラクルの分散型クラウドやハイブリッド型クラウドを利用して構築作業を行うのを支援する各種のサービスなど、さらなる機能を導入する予定だという。

「すでにDedicated RegionsRoving Edge Infrastructureの提供を開始しております。この領域への新たな追加機能を展開していきます」。氏は説明する。

Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」はエンタープライズ企業向けフルマネージドサービスで、データセンター内に持つシングルテナントのクラウド領域を運用できるようにするものだ。このサービスを利用できるのはオラクルのパブリッククラウドに限定されないため、Leung氏は「通信事業者向けの差別化要因」となるサービスだと説明する。

一方、オラクルのパブリッククラウド、OCIは世界36地域で利用可能で、2022年末までに44地域に増やす予定だ。モバイル通信事業者はOCIをクラウドネイティブな5Gコア、エンタープライズ向けIT・各種サービス、業界特化型のアプリケーションOSS/BSS、マネージドKubernetesコンテナ、ネットワーク機能などに利用することができる。

 

オラクル、複雑性を軽減した点を強調

「通信事業者から見て、クラウドサービスが持つ能力を手に入れることは比較的単純な話でした。サービスが欲しければ、(Red Hat OpenShiftなどの)ハードウェアを保有して自社で立ち上げるか、(AWS Outpostsのように)サービスを提供しているパブリッククラウドに縛られるかのどちらかでした」。OCI担当EVPを務めるClay Magouyrk氏がブログ記事に書いている。

Oracle Cloud for Telcosはこの市場を根本から変えるものです」と氏は言う。「当社ではパブリッククラウドだけでなく、ハードウェア、スケーリング、リフレッシュ、パッチ、アップグレードといったクラウドスタック全体をOPEXモデルで提供しています」

また、パブリックとプライベートいずれの利用ケースでも、クラウドのコントロールプレーンはネットワーク事業者の手に、すべてのデータ・メタデータは事業者の環境内に留まるという。

「お客様のコンプライアンス要件に加え、パブリッククラウドの提供地域であるかどうかやクラウド導入の程度によって、さまざまな導入の仕方が考えられます」とLeung氏は説明する。「当社では現在、通信業界のITOSS/BSS、一部のネットワーク機能はパブリッククラウドに移行していく可能性が非常に高いと考えています」

プライバシー、規制、低遅延といった要件があるということは、一部のネットワーク機能を事業者のオンプレミスやエッジロケーションで実行する必要があるということだと氏は言う。一方、オラクルが通信セクターに関して今後も中心的に取り組むのは、ネットワークの仮想化と分離、安全なファームウェアインストール、物理ネットワークの制御、ネットワークセグメンテーションによるセキュリティとパフォーマンスの追求だ。

オラクルの5Gコアネットワーク機能には、ポリシー、チャージング、シグナリング、ルーティング、ネットワーク分析、自動化などがあり、いずれもコア環境あるいはエッジ環境で実行可能で、Oracle Cloud上でサードパーティ製コアネットワーク機能と相互運用できるという。

Leung氏は最後に、オラクルには30年にわたり通信事業者と共同でシグナリング、ルーティング、ポリシー、ネットワークセキュリティに取り組んできた経験があることを差別化要因として強調した。「Oracle Communicationsは何百万ものアプリケーションに接続を提供し、世界中の何千ものネットワークを保護しており、ひいては何十億ものモバイルデバイスへのサービス提供を支えています」。氏は誇らしげに語った。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/oracle-sparks-cloud-contrasts-in-telecom-market/2022/01/

Matt Kapko
Matt Kapko Senior Editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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