楽天モバイル「クレイジーなほど働いている」来月5G導入へ
楽天モバイルは5Gネットワークの導入について、世界的なパンデミックの影響は、昨年直面した技術的な課題よりもはるかに早く克服できると予測している。
楽天モバイルの4G LTEネットワークは予定より約6ヶ月遅れて最近稼働したが、同社のグループEVP兼CAO(Chief Architecture Officer)であるTareq Amin氏によれば、来月に5Gを展開する予定に変更はないという。
「全体的に見て、今回の流行による副作用は起きていません」とAmin氏はSDxCentralの電話インタビューで語った。「当社の5G構築にも影響はないと考えています。建設できる基地局の数でペースが遅くなるかもしれませんが、大きな影響はないと考えます」
Amin氏によれば、ソフトウェアでは最大2週間の遅延が発生する可能性があるが、ハードウェアは構築済みであり、展開の準備ができているという。5GハードウェアはNECとインテル(日本法人)との提携で設計・製造したもので、サブ6GHz帯とミリ波(mmWave)スペクトル用の無線機などがある。
「もし私たちがネットワークを構築していたら、導入中のあらゆるネットワークがそうであるように、感染症の流行によって楽天のモバイル計画は壊滅的なことになっていたと思います」と氏は言う。「楽天の5G構築は、コンポーネントとコンポーネントベンダーの選択、リファレンスデザインアーキテクチャ、ハードウェア製造、全くゼロからのソフトウェア開発、システムインテグレーション、テストなどからスタートしています」
楽天モバイルには遅延の余地はあまりない。定評あるライバル企業であるNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は5Gネットワークの構築を急速に進めている。
楽天モバイル、ソフトウェアで遅延する可能性を査定
コードを書くのはリモートでできるため、技術的な面での生産性についてはCOVID-19による危機の影響はないものの、Amin氏と同僚たちにとっては仕事とプライベートのバランスに影響があったと氏は言う。「私たちはクレイジーなほど働いています。自宅で仕事をするというのは……個人的には、日中にこれ以上何かをする時間はないというようなことだと感じています」
Amin氏によると、5G立ち上げに向けたソフトウェアのロード、メンテナンス、アップグレードのために、世界中の約29の組織から毎日電話がかかってくるという。
一方、楽天モバイルは、Altiostar社のソフトウェアに関連して考えられる課題を整理しているところでもある。同ベンダーのエンジニアリングチームは主にインドに所在しており、厳しい対策によってスタッフがラボにアクセスできなくなったためだ。楽天は、こうした課題を解決するため、Altiostar社のチームに日本のラボへのインスタンスを提供している。
楽天モバイルが株式の過半数を所有するAltiostar社は、楽天モバイルのネットワーク展開に対しオープンRANプラットフォームを提供している。
こうした旅路でのAmin氏の経験は、氏のオープンRAN(無線アクセスネットワーク)に対する信念をも支えている。特に、世界的なパンデミックが従来の規範を破壊している中ではなおさらだ。「私は、オープンであることでセキュリティに対応でき、スケーラビリティを解決し、総所有コストを抑えられると信じています。オープンRANへの移行に取り組む必要があるという未来、ビジョンを、個人的に大いに支持しています」と氏は言う。
Amin氏によると、主要なRANベンダー各社がプロプライエタリなハードウェアやソフトウェアの販売からよりオープンでソフトウェア中心のアプローチに移行するのは簡単なことではないという。「そうは言っても、彼らがオープンになるという戦略にコミットし、この旅路にコミットするまでには、多くのことを熟考する必要があるだろうと考えています」。しかし、と氏は続けた。「Telefónica社、Vodafone社、AT&T社、それからDish社で起きていることを見てみれば、これは単純にチャンスであり、こうしたスタンダードを実際に体現し、推進していく絶好の機会だと感じています」
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
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