Red Hat社、5G事業者向けに「オープンRANのための架け橋」を提供

オープンソースのパイオニアであるRed Hat社は23日、エコシステムの拡大のために専任のエンジニアを250人以上投下するとした。オープンRANへの取り組みを強化する。
IBMの子会社であるRed Hat社は、今回の取り組み強化によって、「顧客がオープンRANのムーブメントに対応していくための橋渡し」として、複数のハードウェアベンダー・ソフトウェアベンダーが提供する製品とあらかじめ統合したオープンで水平的なクラウドネイティブソフトウェアプラットフォームを利用可能にする、と説明している。
Red Hatは、米Altiostar、エリクソン、インテル、米Mavenir、ノキア、サムスンなどと提携し、包括性に優れたフレームワークを設計、構築した。今回の取り組みにより、通信事業者はKubernetesベースの「OpenShift」プラットフォームも利用できるようになる。OpenShiftプラットフォームには、ネットワークコアやRAN、エッジコンピューティングのワークロード向けのコンテナやマイクロサービスが含まれている。
Red Hat社でグローバル通信技術開発担当シニアディレクターを務めるAzhar Sayeed氏は、質問に答え、自社のオープンソース基盤に加えて、他のオープンRANベンダー製品を包含したプラットフォームを形成するリファレンスアーキテクチャを提供することで競合他社との差別化を図っていると述べている。また同社は、エコシステム全体でイノベーションを促進すべく、統合とテストにも力を入れているという。
「オープンソースはRed HatのDNAであり、私たちは日々、統合、テスト、イノベーションなどの価値をお客様に提供できることを証明するために努力しています。Red Hatを利用すれば、お客様は自由な選択肢のないソリューションに縛られることはありません」と氏は説明する。
Red Hat社、オープンRANに2500万ドルを投資
Red Hat社は、提携企業と共に行ってきたオープンRANのエンジニアリングや開発において、これまでに約2,500万ドルの累積投資を行ったとしている。同社のリファレンスアーキテクチャと提携先の広さは、「顧客のニーズと基盤技術との間の架け橋になる」とSayeed氏は言う。
Red Hatの顧客の多くは、「様々なベンダーからワークロードを選択できる自由度と柔軟性を備えた水平型のソフトウェアアーキテクチャを好みます。そのため、私たちはパートナーエコシステムと協力してサービスの企画、設計、実装、運用を行い、リファレンスアーキテクチャのプラットフォームを構築しました」と氏。
Sayeed氏によると、同社はRANインテリジェントコントローラ(RIC)、オープンフロントホール、テレメトリ、ネットワークスライシング、メトリクス、イベント、オーケストレーションなどのイノベーションを視野に入れ、オープンRANのさらなる進化に取り組んでいるという。「当社では、オープンRANの成功に不可欠なゼロタッチプロビジョニングやゼロタッチオペレーションなどの分野を含め、RANワークロードの要件をRed Hat OpenShiftで満たせるように積極的に取り組んでいます」
ネットワーク事業者やサービスプロバイダによるRed Hat社のオープンRANフレームワークの導入ついては、「単一ベンダーのアカウンタビリティを事前統合し提供する単一のシステムインテグレータの支援を受けて導入することもできるし、あるいは複数のベンダーを選択して自社でシステム統合を行うこともできます」と説明する。「こうしたことがすべて可能です――共に統合・検証済みの提携先製品とのリファレンスアーキテクチャが存在し、事前に定義・検証済みである限りは」
他のベンダー各社も、オープンRANのために同様のエコシステムを構築している。RAN市場ではプロプライエタリな既存のRAN大手が依然として最大のプレーヤーだが、Red Hat社の顧客はRANの展開・管理を自動化するもっとオープンなフレームワークを求めている、と氏は言う。
Sayeed氏が「多くのハードウェアサプライヤと連携する、ベンダーに依存しないプラットフォームの提供企業」と表現するRed Hat社は、今後もオープンRANプラットフォームのパートナー企業を増やしていく意向だ。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/red-hat-reveals-open-ran-bridge-for-5g-operators/2021/06/

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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