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文:Sean Michael Kerner

米Broadcom、スイッチASICを発表=クラウド事業者並みの400Gを企業向けDCに

米Broadcom、スイッチASICを発表=クラウド事業者並みの400Gを企業向けDCに

米半導体メーカーのBroadcomが先月27日、新しくソフトウェア・プログラマブルなイーサネット・スイッチASIC「Trident 4-X7」を発表した。企業向けデータセンター(DC)に対し、(クラウド事業者が広く利用している)400Gへの移行を支援する。

「Broadcom Trident 4-X7」は企業向けDCのToRスイッチに搭載するASICで、クラウド事業者向けの製品と同等の性能となっている。帯域幅への要求レベルが上がる中で企業向けDCでは400Gの必要性が高まっており、同製品も主な特長として400Gに対応している。また、分析、診断、テレメトリ用の高度なハードウェア機能を備え、企業がこれを活用することで自社のデータセンター運用を自動化することが可能となっている。

ハードウェア製品である一方、完全にプログラマブルであり、フィールド(現場)でのシームレスなアップグレードが可能だ。データセンターでの新たな需要に応えている。また、オープンソースのネットワークOS「SONiC」をサポートする。

省電力でもある。Broadcomによれば、100Gポートあたりの消費電力を現行の「Trident 3」世代の半分以下に削減しているという。

 

Broadcomの製品ポートフォリオの「発展形」

「Trident 4-X7」はBroadcomのいずれかの既存製品の後継モデルではない。データセンタースイッチ担当プロダクトマネージャー、Robin Grindley(ロビン・グリンドリー)氏が米SDxCentralの取材で語った。むしろ、企業向けDC市場に向けて「発展させた」「ロードマップに定めていた」チップ製品だという。

企業向けDC市場では現在、25G NICや100Gのスパイン・ファブリックが使用されている。Grindley氏によれば、最大3.2Tbpsの「Trident 3」製品ラインで十分にカバーできているという。数年前にはクラウド市場が「Tomahawk 3」を使用、400Gのスパイン・ファブリックに移行していったことにも触れた。

「400Gの価格が下がってきたことで、企業向けDC市場も400Gに移行し始めるでしょう。Trident 4-X7はそうした移行を可能にする製品です」

氏によると、同製品は「Trident 4」製品ファミリーに属し、完全にプログラマブルであるため、顧客が望めばBroadcom、顧客のいずれによってもプログラミングが可能だという。

「Trident 4はハイエンド製品群です。最大容量は12.8Tbps、ハイパースケール・プロバイダー各社にご利用いただいております」と氏。「当社は同分野の要求に応える形で最先端の新製品を開発しました。今後は企業向けDCのお客様に対してもご提供が可能になります」

 

400G――クラウドの今、企業向けDCの未来

今日、400Gのファブリックはクラウド事業者によって広く使用されている。同分野の400Gへの移行はすでにほぼ100%完了したとGrindley氏は指摘する。

「企業向けDCはまだ移行を始めようかというところですが、企業がハイブリッドクラウド戦略を採っている以上、クラウド事業者とは実質的にフレネミーの関係です」と氏。「企業としては、クラウドを利用しつつもさまざまな理由から今もオンプレミスのプライベートデータセンターを維持する必要があります。そうしたデータセンターを活かし続けるためには、クラウド事業者と同様の製品を入手できなくてはならないのです」

Broadcom brings cloud-like Ethernet switch bandwidth to enterprise data centers

Sean Michael Kerner
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