5G
文:Matt Kapko

Samsung社、5G ビームフォーミングにXilinx製品を採用

Samsung社、5G ビームフォーミングにXilinx製品を採用

Samsun社はXilinx社のVersal ACAP(Adaptive Compute Acceleration Platform)を 5G New Radio (NR) 機器に使用することを計画している、と16日(米国時間)に両社は発表した。このプラットフォームでは、従来のデジタル信号プロセッサの5倍のコンピュート密度が提供され、5G商用展開においてより効率的なビームフォーミングが実現できる、と同チップメーカーは話している。

Xilinx社によると、Versal ACAPデバイスは第4四半期に一般提供される予定だが、このテクノロジーに早期にアクセスできる一部の顧客へはすでに出荷を開始しているという。Xilinx社によると、Samsung社はこの技術を「世界的な5G商業展開」に使用する予定だが、Samsung社の5G無線アクセスネットワーク (RAN) 機器のポートフォリオ全体に適用されるかどうかについては明らかにしなかった。

Samsung社はXilinx社の緊密なパートナーであり、Versal ACAPプラットフォームによって可能になった新しい機能は5Gの新時代を切り開くだろう、とSamsung社のネットワーク部門のEVPであるJaeho Jeon氏はコメントで述べている。Samsung社は、この製品によってネットワーク事業者の5Gパフォーマンスが向上すると見ている。

「Versal ACAPは、5G NRとビームフォーミングアプリケーションで急速に増大している信号処理のコンピュート要件・メモリ要件に対応するべく、このような高密度な適応型コンピュート、プログラマブルロジック、高速オンチップ・オフチップの相互接続を提供する業界初のプラットフォームです」と、Xilinx社の有線・無線ビジネスのリードディレクターであるGilles Garcia氏は話している。

今日のビームフォーミングのほとんどは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)や場合によってはシステムオンチップ(SoC)で実現されているとGarcia氏は説明する。「ビームフォーミングは、(Massive MIMO(マッシブマイモ)の)時代にあって従来の小型無線よりも制御、操作、管理しなければならないビームが多くなり、より複雑になってきています」とGarcia氏は質問への回答で述べている。

「5Gの帯域幅と出力の実現には、より効率的なビーム管理が必要です」。Versal ACAPによって、通信事業者が各々のSLA(サービス品質保証)に基づいてビームを単一のユーザーに向け、高帯域幅・低遅延の通信を提供することが可能になる。

Xilinx社は2019年9月にVersal ACAPプラットフォームを発表し、顧客へのサンプリングを開始してからまだ1年足っていない。Xilinx社はこのテクノロジーを、スカラーエンジン、適応型エンジン、インテリジェントエンジンを組み合わせて主要なFPGAの最大20倍のパフォーマンスを実現した、ソフトウェアプログラミング可能なヘテロジニアスコンピュートプラットフォームであると説明している。同製品は、データセンター、有線、5G無線ワークを対象としている。

Samsung社との提携拡大は、ArmベースのCPUと52万個のルックアップテーブルを処理できるFPGAを組み合わせたsmartNICを発表してからわずか1ヶ月後のことだった。同製品は、ティア2・ティア3のクラウドプロバイダ、ネットワーク事業者、プライベートクラウド データセンター等をターゲットにしている。

また、Xilinx社は最近、従業員の7%を削減し、そのポジション数はカリフォルニアでの123ポジションを含め、合計で約300に上る。同社は1月下旬にレイオフ(一時解雇)を懸案中であることを投資家に通知し、カリフォルニア州では今月初旬に削減が実施された。同社の広報担当者は、「主にHuawei社を支える機能の多くを失ったことから、このような影響がありました」とSDxCentralに語っている。

「さらに複雑ことに、プログラム関連の遅延や5Gインフラストラクチャのグローバルな展開の遅れなど、短期的な逆風があり、予想されていた逆風と予想外のものとが混在していました」と広報担当者は言う。Xilinx社によると、今回の人員削減はすべての部門・地域に影響を与えており、現時点では追加の人員削減の予定はないとのことだ。

Xilinx社は直近の決算で、売上高の減少と、ウォール街の期待に沿えない見通しを報告している。同社の株価は、2019年4月下旬に到達した史上最高値から40%近く下落している。

Samsung Taps Xilinx for 5G Beamforming

Matt Kapko
Matt Kapko Senior Editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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