サムスンの無線、米Cienaの有線が統合=ノキア、エリクソンへの挑戦
サムスン電子と米Cienaが5Gネットワーク用ハードウェア・ソフトウェア製品の提供に向けて提携を結んだ。通信事業者に対し、ノキア・エリクソンという西側の2大モバイルベンダーに代わる選択肢を提供する。
「今回の趣旨は無線と有線を統合することにあります」。Ciena社で製品ライン管理担当VPを務めるJoe Marsella氏は言う。
「私たちが協力すれば、非常に強力なソリューションを構成することができます。通信事業者が市場から選ぶことのできる第3の選択肢となるでしょう。最良のコンポーネントの組み合わせだと私たちは考えています」
サムスンはこの提携によってエンドツーエンドの事前統合型システムを提供可能になるとしている。サムスンの5G RAN・コアネットワーク向け機器・サービス(vRANソリューション、BBU、無線機など)と、Ciena社のxHaulルーティング&スイッチング製品ポートフォリオ、ドメインコントローラ「MCP」(Manage, Control, and Plan)を統合する。
Ciena社では、xHaulとはフロントホール、ミッドホール、バックホール、そしてホールセールのことだと定義している。Marsella氏がSDxCentralに語ったところによると、Ciena社のxHaul製品ポートフォリオにはxHaulルータ「5100」シリーズがあり、サムスンの「次世代無線機」を補完することができるという。
「(Ciena社は)伝送ネットワークの遅延を最小化しつつ、帯域幅を最大化する技術を提供します。これにより、サムスンのソリューションやオープンソリューションのセットをアプリケーションセットに最適な形で実行することができます」とした。
また、今回の提携には、自動化、IoT、ネットワークスライシングといった5G活用の展開を加速させる目的もある。
「さらに強力な5Gサービスを提供するためには、現在のネットワークアーキテクチャを進化させる必要があります」。サムスン電子のネットワーク事業で製品戦略を統括するSVPのWonil Roh氏は言う。「サムスンが持つ最高クラスの5GソリューションとCienaのような伝送技術のトップ企業が持つ技術を組み合わせることで、お客様のこうしたニーズに対応するソリューションを提供していくことが可能になります。確信をもってお客様のネットワークを拡張・進化させ、5Gの未来を支えていくことができるでしょう」
補完的なパートナーシップ
サムスンとの提携は「自然な」選択だとMarsella氏は言う。両社の製品ポートフォリオには重複する部分が無く、ノキアやエリクソンのように競合相手は共通しているためだ。
米調査会社Dell’Oro GroupのVP、Stefan Pongratz氏も両ベンダーには大きな重複がないと指摘している。「Cienaの通信機器関連の売上は主に光伝送・SPスイッチのポートフォリオによるものです。一方、サムスンはRANとモバイルコアネットワーク市場に力を入れています」
さらに、両社は地球の反対側に位置しているにもかかわらず、非常によく似た企業文化を持っているとMarsella氏は言う。こうした地理的条件にあることで、両社の提携では特定の国や地域に対して制限を設けることもなければ、特定の国や地域を優先することもないと氏は強調した。「グローバルな性質の提携なのです」
バックホールからフロントホールへのシフト
また、この合意はCiena社の利益にもなるとMarsella氏は言う。「よりフロントホール中心のアーキテクチャに移行が進むなかで、バックホールに影響する伝送分野からフロントホールに影響するRAN分野へと、人々の移行が起きています」と氏。「そのため、サムスンと一緒に顧客ベースのRAN部分に関与することができるのは、当社にとって有益なことなのです」
Pongratz氏によると、Dell’ Oro Groupはここしばらくの間、ルータ・スイッチ市場、トランスポート市場、モバイルコア市場、RAN市場の追跡調査をしてきたが、調査データが示しているのは「これまでずっと、これらの領域すべてでエンドツーエンド製品に対する通信事業者の優先度は低かった」ということだという。
とはいえ、「バックホールがフロントホールに変わっていけば、伝送要件が変わり、事前統合ソリューションの価値も変わってくる可能性がある」と氏は指摘している。
Nancy Chenyizhi Liu is an Editor at SDxCentral covering security, data center/networking, and cloud native technologies. She is a bilingual communications professional and journalist with a Bachelor of Engineering in Optical Information Science and Technology, and a Master of Science in Applied Communication. She has nearly 10 years of experience reporting, researching, organizing, and editing for print and online media companies. Nancy can be reached at nliu@sdxcentral.com.
Nancy Chenyizhi Liu is an Editor at SDxCentral covering security, data center/networking, and cloud native technologies. She is a bilingual communications professional and journalist with a Bachelor of Engineering in Optical Information Science and Technology, and a Master of Science in Applied Communication. She has nearly 10 years of experience reporting, researching, organizing, and editing for print and online media companies. Nancy can be reached at nliu@sdxcentral.com.
JOIN NEWSME ニュースレター購読
KCMEの革新的な技術情報を随時発信
5G・IoT・クラウド・セキュリティ・AIなどの注目領域のコンテンツをお届けします。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
RELATED ARTICLE 関連記事
-
5G Dan Meyer2024.09.09
5G時代へ=中小の通信事業者は備えができているのか
最新の5G機器や、vRAN/オープンRANのようなア…
-
IT Dan Meyer2024.08.30
シスコさらなる人員削減へ、ネットワーク部門を統合へ
シスコは新たな企業再編計画を推進しており、これにより…
-
エッジコンピューティング Dan Meyer2024.08.19
通信エッジ市場への投資は減速するのか
通信エッジコンピューティングの分野はあいかわらず、近…
-
5G Dan Meyer2024.08.06
5G FWA=企業の関心は変わらず高いのか
米国の5G FWA(固定無線アクセス)需要があいかわ…
HOT TAG 注目タグ
RANKING 閲覧ランキング
-
セキュリティ Nancy Liu
デル、データ侵害を確認=ハッカーが4900万件の顧客データ販売を主張
-
IT Dan Meyer
BroadcomによるVMware製品の価格/ライセンスの変更がどうなったか
-
IT Dan Meyer
Dell、HPE、LenovoはBroadcomがVMwareの顧客の懸念を和らげるのに役立つか?
-
IT Dan Meyer
BroadcomがVMwareパートナープログラムの詳細を発表
-
ネットワーク Sean Michael Kerner
2024年における10のネットワーキング技術予測
-
セキュリティ Tobias Mann
米CitrixはMcAfee社、FireEye社と同じ運命を辿るのか=買収合併の後に
-
セキュリティ Nancy Liu
SASE市場が急成長=第1四半期、首位はZscaler
-
スイッチング技術 Tobias Mann
コパッケージドオプティクスの実用化は何年も先=専門家談
-
IT Dan Meyer
米キーサイトがVIAVIのスパイレント買収に「待った」=15億ドルを提示
-
ネットワーク Sean Michael Kerner
2023年 ITネットワークのトレンドTOP10 現時点