米ガートナー、2023年のITインフラのトレンドを予測=トップはSASE
![米ガートナー、2023年のITインフラのトレンドを予測=トップはSASE](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/12/shutterstock_2231385959-e1670519840675.webp)
米調査会社ガートナーが今後1年から1年半の間にI&O(ITインフラおよび運用)に大きな影響を与えると予想される6項目の技術トレンドを発表した。真っ先に挙げたのはSASEだ。
同社は2023年、世界のエンドユーザーによるSASEへの支出総額は2022年比39%増の92億ドル(約1兆2,620億円)に達すると予測している。SASEという用語はガートナーが作ったもので、クラウドネイティブ環境でネットワークアクセスとセキュリティを融合させる構造を指す。
バイスプレジデント・アナリストのジェフリー・ヒューイット(Jeffrey Hewitt)氏はSASEが急速に普及した理由として、「デバイスなどのエッジネットワーク要素による接続を保護する必要性」、ハイブリッドワークの普及、クラウドコンピューティングへの移行が間断なく続いていることを挙げた。
氏によると、この構造の主な利点はユーザーがアプリケーションに安全に接続できることと管理を効率化できることだという。
「世のリーダーはこれを見て、導入したいと言うことでしょう」。氏は米SDxCentralの取材に答えて話している。「プロバイダが何を提供できるかが評価・判断されると思います」
ガートナーの優先順位はシングルベンダーSASE
ヒューイット氏によると、SASEを導入しようというI&Oチームはシングルベンダーのソリューションを優先するのがよいという。
ガートナーは今年、SASEに関心を持つI&O部門のリーダー向けに「Market Guide for Single-Vendor SASE」(シングルベンダーSASEのマーケット・ガイド)を初めて発表。2019年の登場以来、SASEに対する関心は――特にシングルベンダーソリューションに対して――爆発的に高まっていることを明らかにした。
とはいえ、SASEはまだ市場としても技術フレームワークとしても「未成熟」だと氏は指摘する。「現時点では、ちょっと走って行って長大なベンダーリストを入手、そこから選べるというような類のものではありません」
多くのベンダーはまだSASEの一部の要素しか提供できないが、ガートナーではネットワーク構築とSSEの両方を備えた完全なソリューションを提供できるベンダーを9社把握している。Cato Networks、シスコ、シトリックス、フォースポイント、フォーティネット、Netskope、パロアルトネットワークス、Versa Networks、VMwareだ。
シングルベンダーソリューションの大きな利点は、2つのピースをつなげる必要がなく、セキュリティが向上し、管理やトラブルシューティングのためのコンソール画面が少なく管理がシンプルであること、シングルパス暗号化と最適なルーティングが可能になることだという。アナリストのアンドリュー・ラーナー(Andrew Lerner)氏が以前にSDxCentralの取材で話している。
ラーナー氏がI&O部門リーダーに勧めるのは、シングルベンダーSASEサービスの中からシングルパススキャニングを備え、統合コンソール画面が1枚で、ユーザー体験を向上させ従業員の仕事を助けるあらゆる機能を備えたデータレイクが提供されているものを探すことだ。
ガートナーは2025年までに企業の65%が各SASEコンポーネントの提供元を1社か2社のベンダーに集約すると予測している。2021年の数字は15%となっている。
![Julia King](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/1.25.2022-SDx-Central-Headshots-4-e1649273540587-2.jpg)
Julia King is an Editorial Assistant at SDxCentral covering secure access service edge (SASE) and secure service edge (SSE). She also writes the monthly Money Moves and Headcount articles. She graduated from the University of Colorado at Boulder with a degree in Journalism and Spanish. Julia can be reached at jking@sdxcentral.com.
![Julia King](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/1.25.2022-SDx-Central-Headshots-4-e1649273540587-2.jpg)
Julia King is an Editorial Assistant at SDxCentral covering secure access service edge (SASE) and secure service edge (SSE). She also writes the monthly Money Moves and Headcount articles. She graduated from the University of Colorado at Boulder with a degree in Journalism and Spanish. Julia can be reached at jking@sdxcentral.com.
JOIN NEWSME ニュースレター購読
月に1回、newsMEのトピックスをメールで配信しています!
登録解除も簡単です。ぜひお気軽にご購読ください
KCMEの革新的な技術情報を随時発信
5G・IoT・クラウド・セキュリティ・AIなどの注目領域のコンテンツをお届けします。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
RELATED ARTICLE 関連記事
-
セキュリティ Nancy Liu2024.07.24
マイクロソフトが参入、激変するSSE市場=中小ベンダーが退避へ
マイクロソフトが「Microsoft Entraスイ…
-
セキュリティ Nancy Liu2024.07.09
シスコ、産業用スイッチ/ルータにOTセキュリティ機能を搭載
米ネットワーク機器大手のシスコは、ゼロトラストネット…
-
セキュリティ Nancy Liu2024.06.24
SASE市場が急成長=第1四半期、首位はZscaler
米調査会社デローログループ(Dell’Oro Gro…
-
セキュリティ Zeus Kerravala, ZK Research2024.06.19
ランサムウェア被害からの復旧=進歩と課題
ランサムウェア攻撃による大きな混乱があいかわらず発生…
HOT TAG 注目タグ
RANKING 閲覧ランキング
-
IT Emma Chervek
BroadcomのVMware買収による意外な影響=どう備えるか
-
セキュリティ Tobias Mann
米CitrixはMcAfee社、FireEye社と同じ運命を辿るのか=買収合併の後に
-
IT Dan Meyer
BroadcomがVMwareパートナープログラムの詳細を発表
-
ネットワーク Sean Michael Kerner
2023年 ITネットワークのトレンドTOP10 現時点
-
セキュリティ Nancy Liu
デル、データ侵害を確認=ハッカーが4900万件の顧客データ販売を主張
-
スイッチング技術 Tobias Mann
コパッケージドオプティクスの実用化は何年も先=専門家談
-
IT Dan Meyer
Dell、HPE、LenovoはBroadcomがVMwareの顧客の懸念を和らげるのに役立つか?
-
セキュリティ Nancy Liu
RSAカンファレンスが閉幕、AIセキュリティ関連の主な発表=パロアルト、マイクロソフト、Google、CrowdStrike、IBM
-
IT Nancy Liu
米Nutanixが好業績=米BroadcomによるVMwareの買収で
-
IT Dan Meyer
米BroadcomのCEOによる、VMware買収後100日間のハイライト